更新日 2003年11月28日 (金曜日) 12:23
 



2003年秋、アクティブは大きく生まれ変わった。


サーフテックが日本上陸サーフシンポジウム開催セル・ウエットスーツ来春から日本で発売決定


10/7(火)、8(水)、9(木)3日間東京ビックサイトにて「アクティブコレクション2003秋」が開催された。このアクティブコレクションは出展社(メーカー・卸業)と来場者(小売業)の商談・情報交換を主目的としたビジネスショー。今までは、業界関係者しか見ることができなかった来季モデルの展示ブースも、今回はコンシューマーである一般来場者に全面解放された。会場には125社のブースに昨年度を上回る38,612名の来場者数を記録した。今イベントの特徴は、エンターテイメント性の向上とでも言おうか、クライミング特設会場の設置やクイックシルバー&ギルバート氏のコラボレーションカフェではライブも行なわれるなど、今までにないアクティブコレクションとなった。それもそのはず、今回よりイベントプロデュースにアメリカから新しいチームが加わったのだ。会場デザイン、イベント企画、新エリアの誕生など、2003年秋のアクティブは大きく生まれ変わった。また、来春2004年2月5日(木)〜2月7日(土)同じく東京ビッグサイトで開催される「アクティブコレクション2004春」では会場内にビジネスセンターを設置、更にモデルによるフロアーショー・タイプのファッションショーの開催、商談ブースを会場内に設置するなど新たなビジネスショーへと躍進を遂げる。

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アクティブコレクション ウェブサイト
http://www.activecollection.com
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■次世代型サーフボードのサーフテックが日本上陸

 

今年の「アクティブコレクション」のなかで、サーフエリアは春ほどの勢いはなく、この秋も静かなイメージ。ヒット商品の不在や、インターネットショッピングの普及による海外からの消費者並行輸入の氾濫、海の混雑とは裏腹に日本経済と同じような曲線を辿っている日本のサーフマーケットにどのメーカーも首を傾げていた。そんな中でも日本のサーフマーケットに可能性を見つけ、新たなムーブメントを起こす勢いなのが「サーフテック・ジャパン」だった。連日大盛況だった「サーフテック・ジャパン」のブースは、日本に次世代型サーフボードを提案する。今回、アクティブ初登場となるサーフテックは、42モデル(ロング32本、ショート10本)を一挙展示。フレンチ、ハウトをはじめ、イェーター、ヴェルジー、ハップ・ジェイコブス、ゴードン&スミス、ホビー、ロバート・オーガスト、スケッグアイランド、ヌヒワ、ムニョス。ショートボードではラットボーイ、グレン・ミナミに加え、最新ラインナップのサーフプレスクリプションズ、マット・ケックリー、バーン、ブッシュマンを展示した。(今回の展示は、日本で正規輸入代理店契約をしているサーフボードブランドがあり、その会社がサーフテック社製のものを扱うところもあるため、サーフテック社製品のフルラインナップではない)

このサーフテック社が開発した『タフライト』テクノロジーは、世界中の優れたサーフボードシェイパーが完成させた一本の最高傑作を軽量かつ高強度のエポキシ技術で完全な姿で再現し、量産するというもの。この『タフライト』構造は、EPSスタイロフォームを非常に丈夫な3mm厚の高密度PVC(塩ビ)シェルで包み込み、更にそのPVCシェルを両面をグラスクロスとエポキシ樹脂でサンドイッチして、表面をポリウレタン塗装が施されている。詳しい構造はサーフテック社のホームページを見て欲しいのだが、要するに完成されたマジックボードがコピーされ、しかも軽くて丈夫な素材で作られたものが安価で買えるというものだ。

数年前に登場した『タフライト』も発売当初は、ロングボードばかりが多くラインナップし、ショートボードは数えるほどしかなかったものの、ロング、ショートともにその数は飛躍的に増えてシェイパーのラインナップも豊富になり知名度の高いシェイパーが名を列ねている。堅い乗り味だといわれるエポキシボードを嫌うサーファーもいる。それとは別にモールドボード自体に抵抗を感じるサーファーも多いと思うが、週末サーファーにとって充分期待に応えてくれるサーフボードといえるし、耐久性に優れ、テイクオフも楽な点、コストパフォーンスも良いとくれば財布のヒモが硬いサーファーも心動かされるかもしれない。カスタムボードが主流の日本のサーフボード業界にとって、このサーフテック社の日本マーケット参入はどのような影響を及ぼすのか。次世代型サーフボードの今後の動きに注目したい。

 

■第1回全国サーフシンポジウム開催

 

10月8日(水)「アクティブコレクション2003秋」の会期中に、サーファーによる環境団体サーフライダーファウンデーション主催による緊急シンポジウム「第1回全国サーフシンポジウム〜日本のサーフィンに未来はあるのか?!」が開催された。今回は特に日本の海岸事情の「今」を分かりやすく解説し、一人でも多くの人に環境意識の「気づき」のキッカケをつくるためのシンポジウムとなった。悪化の一途を辿る日本のサーフィン環境の解説が行なわれ、サーフジャーナリストで海洋科学スペシャリストの許 正憲氏をコーディネーターとして迎えたパネルディスカッションも行なわれた。ディスカッションにはプロサーファーの牛越峰統、フォトグラファー横山泰介などもパネリストとして参加。有意義な意見交換が行なわれた。また、今回は特に阿字ヶ浦、鴨川、和田白渚、鎌倉、湘南、伊良湖、石川、網野、宮崎などにみられる海岸の現状と問題点を解説。日本全国で起きている様々な問題点の多さに驚かされた。

この企画の趣旨は「現在の日本の海における環境問題として、沢山の事柄が顕在化しているにも関わらず、海岸利用者やサーファーの意識が充分にその方向へ向いているとは言えず、そのキッカケのひとつになれば」というもの。今後もこのような活動は恒例化していくようだが、サーファーとして自分達のフィールドで今どんなことが起きているのかを知る必要は絶対にある。活動に参加するかしないかは自分次第。先ずは知ることから始めよう。

■ホームページ http://www.surfrider.gr.jp/ 



■ネオプレンの歴史を塗り替えるクイックシルバーの「セル・ウエットスーツ」。いよいよ来春から日本で発売決定

 


今回のムラサキスポーツの展示ブースの一角に現れた新製品の山の中に、クイックシルバーの新兵器を発見した。それは「セル・ウエットスーツ」現在のサーフマーケットに出回っている平均的なウエットスーツは、19枚のパネルと36フィートの縫い目を持っているが、この「セル・ウエット」は3枚の大きなパネルとその半分以下の縫い目のみで作られているという。
本来のウエットスーツの基本概念を完全に取り除き、2年間の開発期間を必要としたこの革新的ウエットスーツの発表。既に2002年の秋に発表されたこのウエットスーツがいよいよ日本で発売されることとなった。詳細は未発表だが、すべてのゴムの不必要な部分とステッチを単純化し、未だかつてないハイパフォーマンス・ウエットスーツを作り出されたことは事実だ。この減算によるストラクチャーがこれからのウエットスーツの新機軸となるのか。


アクティブコレクション2003春のリポート

 

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