続いて二日目の最終日。なんと熱帯低気圧から変わった台風が日本の南海上を北上。天気は晴れ。会場のコンディショは、朝のうちは微風。昼前から南からオンショアに変わり、面は乱れるものの波のサイズはムネカタまでアップした。ただ波は思ったほど力がなくダラついたブレイクで、干潮に向かいつながり気味。サイズはあるもののキレた波を選ばないと高得点は望めないというやはり難しい展開。
カデットの決勝は身体も大きくなりパワーが増した高橋優人 。昨年のディフエンディングチャンピオンの新井洋人。今大会絶好調の石田銀二と佐藤魁の4人。佐藤がまずは先行リード。新井は持ち前のスピードあるライディングでリップを連発。それを高橋が追う展開。石田もレフトの波で8.00ポイントを出すもその後が続かず。それにしてもこのクラス、来た波、来た波にすべて乗るからジャッジも大変。MCがコールするたびに順位が入れ替わる。しかし、新井のリードは変わらず。このまま新井が逃げ切るかと思われた2分前、石田がライトのキレた波にテイクオフ。スムースなボトムターンから縦に上がって、スプレーをきれいに飛ばす。歓声が上がる中、リエントリーを連発。なんとここで8.25ポイントを叩き出しトップへ。新井は9.80ポイントが必要となり、成す術なくそのままタイムアップ。石田がうれしい優勝を手に入れた。
続いてジュニアクラス。決勝に進んだのは大橋海人、大澤伸幸、加藤嵐、中村昭太。大橋は16歳、加藤 15歳とまだカデットクラスにエントリーできる年齢。大橋は今年、集中するためジュニアに絞りエントリー。加藤はダブルエントリーで、前日にカデットクラス敗退の悔しさを晴らすため、ここまで勝ち上がって来た。まず試合はその大橋、加藤が引っ張る。中村は一人右でポジショニング。ポイントを積み上げる。大澤は動かず、じっくり波を選ぶ作戦。試合も中盤を過ぎる時、動いた大澤がパワフルな演技で8.60ポイントを出し1位へ。ここで残された3人は追撃モード全開。入るセットに乗りまくる。まるでボクシングのノーガードの打合いのようだ。しかし、誰も逆転できず時間だけが過ぎていく。終了時間も迫る中、大澤が2位の中村を追いかけ張り付くもなぜか再び移動。その中村の前にセットが入る。迷わずテイクオフ。中村らしい切れ味鋭いカミソリリップにフィンアウト気味のフィニッシュ。これに7.10ポイントがつき大逆転。前戦の千葉で、大澤に逆転負けしたリベンジを見事果たした。
中村は「やっと形に残せました。」と笑顔。昨年から自分らしい波乗りを心掛け、思いっきりの良いサーフィンは評価が高かった。しかし、上位入賞するも優勝まであと一歩だったという今シーズン。ここで優勝という結果が残せたのはとても大きいこと。自信もできメンタル面も強くなれば、サーフィンがさらに進化する可能性もある。後半戦の中村昭太には要注目だ。
また今大会に併せてプロジュニアガールズも行われ、大村奈央、水野亜彩子、田代凪沙が参加。大村がぶっちぎりで優勝を決めた。ガールズは残り福島、日向の大会を含め三戦の合計で総合1位になった選手に今年度の代表権が与えられる。またもう一枠はWQS世界ランキングにおいてジュニアの一番上位の選手に与えられるとのこと。ガールズも頑張ろう!
子供たちの試合は見ていて面白い。特にカデットクラスは、思いっきりサーフィンする姿勢が清々しい。その分、ジュニアクラスが大人に見えるほど。ジュニアは身体も出来上がってきて、スキルも上がりサーフィンが完成しつつあるのだろう。ただ気になることも一つ。試合に勝つことばかりで、まとめに入っている選手も見受けられる。でも、今はまだ固まる必要はない。負けるのはコンペティターとしてはつらいとこだが、今は勝ち負け関係なく思いっきりやること。世界の基準は、どれだけ攻めているかを見ているのだから、今はスタイルを気にせずそれを練習することだ。やっているうちに必ずできるようになるからね。
というわけで、次の試合は福島県北泉で9/2〜7の期間中にWQS 2starイベント、Pro Juinor、Longboard WQS 2starイベントが同時開催される。お楽しみに!
(TEXT& ALL PHOTOS BY : S.YAMAMOTO)
※特設フォトギャラリーをご覧下さい。
Junior クラス(U21)
1.中村昭太
2.大澤伸幸
3.大橋海人
4.加藤嵐
Cadetクラス(U16)
1.石田銀二
2.佐藤魁
3.新井洋人
4.高橋優人
Jr Girlsクラス
1.大村奈央
2.水野亜彩子
3.田代凪沙
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