■元世界チャンピオンのボンガ・パーキンスが千葉で優勝
そんな中で、ハイスコアをマークしていたのはハワイのキーガン・エドワード。彼はセミファイナルのヒート2で終了3分前に入った特大セットを掴み、大きく板を当て込み、ノーズライドなどを織り交ぜながらインサイドまで乗り継ぎ、今大会唯一のパーフェクト10をスコア。バックアップも今大会3位となる8.25を叩き出し、トータルでも18.25という今大会最高得点でファイナルへ勝ち進んだ。一方で、昨年の田原大会で優勝し、今回も優勝候補だったケビン・コネリーがここで敗退。ハングテンからソウルアーチ,ドロップニーターンにスイッチスタンスと「これぞロングボード」という華麗な演技で会場を沸かせていたコネリーだけに残念だった。
日本からは尾頭信弘、石川英治がユージン・ティールとともにセミファイナルまで残った。しかし、石川とユージンはそこで敗退、この太東ポイントをホームにする尾頭が唯一日本人としてファイナルに勝ち進んだ。ファイナルがスタートする頃になると、再び雲行きが怪しくなり、風も入り出しコンディションを乱した。しかし、ファイナリストのジャクソン・クローズ(オーストラリア)、昨年のこのイベントでも4位のボンガ・パーキンス(ハワイ)、尾頭、そしてキーガン・エドワード(ハワイ)はファイナルに相応しいクライマックスを演じ切った。
ファイナルは前半から7ポイントのハイスコアを叩き出してオーストラリアのジャクソン・クローズがリードを奪った。直ぐさまクローズは5.50でリードを広げ、終始ファイナルをコントロール。ボンガも6.50で対抗するも後が続かない。尾頭とエドワードもアベレージを上げ追撃したが、全員が僅差で誰が勝っておかしくない状態が続いた。そして、ヒート残り時間僅か2分で、それまで4位だったボンガ・パーキンスがセットの波を巧みに掴み、7ポイントのハイスコアで大逆転。いきなりトップに躍り出て、そのまま優勝した。
昨年の太東でのコンテストはサイズもあり、世界レベルのロングボーディングに開いた口が塞がらなかった。そのスピードと技のコンビネーションは今のロングボードのコンペシーンが凝縮されており、日本のサーファー達に素晴らしい刺激を与えた。それから1年が経った今年、世界のロングボードシーンで長年活躍するボンガ・パーキンスが、ヨーロッパで行われたASPーWLCで3位入賞したサーフィンをもって、日本で優勝してくれたことが、新たな刺激となったことは間違いない。
今年は世界各地でASPのリージョナルによるロングボードの大会が多数開催されている影響からか、海外からのエントリーが少なめで、昨年の太東で上位を占めたブラジル勢の姿が無かったのは非常に残念だった。また、波のサイズが無かったにもかかわらず、今回も出来るだけ無駄な部分を削ぎ落としたスリムなハイパフォーマンス系の板が目立ち、日本人サーファーもテールを絞り込んだ板で、積極的に当て込んで行く姿が見られた。今年はこのあと9月の福島と10月の宮崎でロングのコンテストが予定されているASPジャパン。世界の舞台での活躍を目指し、更なるレベルアップしたサーフィンでギャラリーを魅了してもらいたい。
また今回は、フランスのビアリッツにて7月11日から16日まで開催される「Roxy ASP Women's World Championships」の日本人ワイルドカードを争うトライアル・イベントも開催され、太東をホームグラウンドとする鈴木ユキが優勝。栄えあるフランスのワイルドカードをゲットした。昨年のWLCで25位の島尻祐子は既に出場権を獲ている。頑張れ。日本。
ロングボードWLT2スター /TANYSURF presents REAL B VOICE Longboard Pro Taito
1位:ボンガ・パーキンス(HAW)
2位:ジャクソン・クローズ(Aus)
3位:キーガン・エドワード(HAW)
4位:尾頭信弘(JPN)
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