更新日: 2008年10月14日 (火) 17:59
■ 2008 ASP Women's World Tour■
第5戦ビーチェリー・クラシック
■2008年10月9-14日■マンリー、シドニー、オーストラリア■photo:ASP COVERED IMAGES■

■トライアルから出場の14歳、タイラー・ライトが優勝。ビーチェリーは引退表明。
 
▲優勝のタイラーとレイン
 
  ▲2位のシルヴァナ・リマ(BRA)
ASPワールドツアー最年少優勝記録を更新した14歳のタイラー・ライト(AUS)
【現地2008年10月13日月曜日、マンリー、オーストラリア】ASPウイメンズ・ワールドツアーの第5戦「ビーチェリー・クラシック」がオーストラリアのシドニーはマンリービーチで終了。2フィートのピーキーなコンディションで、14歳のタイラー・ライト(AUS)がシルヴァナ・リマ(BRA)を破り優勝。ASPワールドツアー最年少優勝記録を更新した。

2008年のASPウイメンズ・ワールド・ツアーにおける8戦中の第5戦である「ビーチェリー・クラシック」は10月10日にマンリー近くのフレッシュウォータービーチでスタート。翌11日はマンリーのメイン会場に戻り、ラウンド3までを終了。12日はコンディション不良のため延期を強いられたが、13日に小振りでもクリーンなコンディションでファイナルデイを迎えた。今回のイベントは、2008年のASPウイメンズ・世界タイトル・レースに大混乱を引き起こす、獲得ポイント20%アップとなっていたため、ドラマティックなアクションが連続だった。
 
▲ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)
 
    ▲エミー・ドナホー(AUS)


「これは、間違いなく私の人生における最良の日です」とライトが言った。「最高です。今の気持ちを説明する言葉が見つかりません。シルヴァナ(リマ)が危険なことを知っていたので、私は私のゲームプランに執着して、波を得ることに、ただ最善をつくしました」ライトは、オークリートライアルに優勝してビーチェリー・クラシックへの参加資格をゲット。リマとのファイナルに、現在のASPウイメンズ・ワールド・チャンピオンのステファニー・ギルモア(AUS)、ジャクリーン・シルヴァ(BRA)、エミー・ドナホー(AUS)を破り、勝ち上がった。「この人たちは全員、私が尊敬していた人で、そんな人たちと戦えた事だけでも名誉です。全く期待などしていなくて、自分に好都合に試合が運んだんだと思います」彼女は先週、ビラボンASPワールド・ジュニア・チャンピオンシップへの参加資格も獲得しており「信じられない2週間でした」とコメントした。

惜しくも2位となったリマは、ファイナルデイで物凄いフォームを見せ、昨シーズンのパフォーマンスを繰り返すかのように、クオーターからファイナルまでリップを繰り出した。「何が起こったかわからない」とリマ。「波は本当に悪かった。自分が不運を持っているように思えた。タフだったけど自分のパフォーマンスには満足よ」ライトに破れ、消沈している彼女だが、今回の結果で、レイティング第5位までジャンプアップ。更にリマは2008年のASPウイメンズ世界タイトルレースに加わる事となった。「それは本当にタフね。勝ちたかったけど、ちょうどツアーが南米に動く時に私のランキングが上るので、まだ良い感じでいられるわ」とリマは言った。

前ASPウイメンズ・ワールド・チャンピオンで、2008年のASPウイメンズ・ワールド・ツアー・レイティングのカレントリーダーを先週の土曜日にワールド・チャンピオンのステファニー・ギルモア(AUS)から引き継いだソフィア・ムラノヴィッチ(PER)は、エクセレントなフォームで印象に残る8.67をスコア。しかしセミファイナルでは足首を痛めて破れてしまった。「あの波の最後のターンで足を怪我してしまった。本当にがっかりだけど、いつでも起こることだから」とムラノヴィッチ。「早く足の怪我を良くしないとね。自分ではそれほど大した怪我ではないと思っているの。次のイベントには復活するつもり」

そして、7度のASPウイメンズ世界チャンピオンで、現在ワールドツアー・レイティング第3位であるオーストラリアのレイン・ビーチェリー(36歳)は、今シーズンでフルタイム・コンペティションから引退することを正式に発表した。

「今の現状としては、自分のキャリアにおけるベストフォームにいます。でも今が本当に良いタイミングだと感じています。そして、私はオール・オア・ナッシング的な人間で、目標を達成するためには、サーフィンに自分をセットし、全てを注ぎ込まなければならない。だけど私にはそれが出来なくなった」とビーチェリー。

「自分自身に正直でなければならないと私は思っています。私は世界タイトルを獲得することに100%の時間とエネルギーと努力とフォーカスを費やせなくなった。世界タイトルが取れないと言っているのではないのです。でも私の中の優先順位がシフトし始めていて、ビジネスにおける私の焦点と情熱、チャリティの仕事、私の大使としての役割が、より多くの魅力を持ち始めているということ。私は、まだトップフォームにいますが、自分が欲したもの全てを達成出来て良かったと思っている」

彼女の発表はサーフィン界にとって驚きである。サーフィン界のアイコン的存在だった彼女は、これまで以上に素晴らしいサーフィンをしており、現在ASP世界タイトル獲得に向けて第3位という絶好のポジションにいる。

「私のこれまでのキャリアにおける最高のサーフィンをしているように感じています」とビーチェリーが言った。「私の気持ちを除いて、ツアーは何も変わらなかった。それは、私の勝利への積極性の欠如です。私は何かを選択する時、自分の経験を重んじる。100%フォーカスしなくてはならないし、自分がやっている事を愛さなくてはダメだと思う。自分がやっていることはとても好き。でも私はサーフィン以外で自分がしていることをさらに愛し始めている。コンペサーフィンに対する私の情熱は冷めていった。そして、成功を成し遂げること、世界タイトル獲得は、冷めた情熱では出来ないの」

「私は、より多くの時間とエネルギーを自分自身のブランド(ビーチェリー・アスレチックス)に充てたい」とビーチェリー。「そこに十分な資産を投入することができないので、成功していると思わないわ。それに、私はチャリティ(Aim for the Stars)を持っていて、私の本の「Beneath Waves」のプロモーションもスタートしている。もちろんビーチェリー・クラシックもまだ開催するつもり。私は、女性のサーフィンが好きなの。本当に熱烈にね。私がツアーから立ち去ることは、ウイメンズ・サーフィンから去ることではないの。私は、支持者として信者として、そこにいてメディアで仕事していきます」とコメントした。

2008年のASPウイメンズ・ワールド・ツアーの次のイベントは、2008年11月3-8日で開催されるモビスター・クラシック・マンコラ・ペルー presented by Rip Curl。

ビーチェリー・クラシック・ファイナル結果:
1-タイラー・ライト(AUS)13.64 2−シルヴァナ・リマ(BRA)12.84
ビーチェリー・クラシック・セミファイナル結果:
SF 1:タイラー・ライト(AUS)14.17 エミー・ドナホー(AUS)10.00
SF 2:シルヴァナ・リマ(BRA)15.10 ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)14.00
ビーチェリー・クラシック・クォーターファイナル結果:
QF 1: エミー・ドナホー10.83の(AUS) ジュリア・デ・ラ・ロサトロ(PER)9.60
QF 2: タイラー・ライト(AUS)14.17 ジャクリーン・シルヴァ(BRA)12.83
QF 3: ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)9.00 レベッカ・ウッズ(AUS)2.00
QF 4: シルヴァナ・リマ(BRA)13.93 レイン・ビーチェリー(AUS)12.07

ASPウイメンズツアーレイティング
1−ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)4411
2−ステファニー・ギルモア(AUS)3948
3−レイン・ビーチェリー(AUS)3698
4−エミー・ドナホー(AUS)3331
5−シルヴァナ・リマ(BRA)3194
6−サマンサ・コーニッシュ(AUS)3060
7−メラニー・バーテルス(HAW)2544
8−ジャクリーン・シルヴァ(BRA)2486
9−レベッカ・ウッズ(AUS)2294
10−ジェシー・マイリー-ダイヤー(AUS)2268

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