つのだゆきのasrリポート
100年に一度ともいわれる大不況の中、第44代アメリカ大統領にバラク・オバマ氏が就任し、黒人初のアメリカ大統領が誕生、アメリカの歴史に新しい1ページを刻んだ。その2日後、カリフォルニア、サンディエゴのコンベンションセンターではASR2009が行われた。(上の写真下部にあるメニューバーをクリックするとページが切り替わります)
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100年に一度ともいわれる大不況の中、第44代アメリカ大統領にバラク・オバマ氏が就任し、黒人初のアメリカ大統領が誕生、アメリカの歴史に新しい1ページを刻んだ。その2日後、カリフォルニア、サンディエゴのコンベンションセンターではASR2009が行われた。
ASR(アクションスポーツリテイナー)はサーフィン、スノー、スケートなどのアクションスポーツのブランドが一同に会して行われる展示会、世界各国のディーラーたちが集まるショーだ。
アメリカのサーフィン業界を中心とするアクションスポーツ業界は、昨年から信じられないほどの不況に見舞われていて、このショーへの出展数もだいぶ減ることが予想されていたが、ふたを開けてみれば予想を上回る減り方だった。
オフィシャルでは前回の40%減、6割の出展数ということだったが、9月に行われた前回は、前々回の7割程度の出展数で、すでに不況の足音が忍び寄っていた感があった。だから会場を回ってみて体感した印象は、通常の半分以下、いや、3分の1か、という感じ。いつもならまだ半分しか回ってないし、とか思うのだけど、今回はあっという間に1周が終わってしまう。100番から100単位で200、300というふうに通路に番号がついているのだけど、以前は7000番台まであったものが今回は確か2700でおしまい。会場もとてもコンパクトだった。ただコンパクトな分なんとなくワサワサしていて人出は多いように感じたが、会場が狭いからそう見えただけなのかもしれない。
大きな変化はクイックシルバーの出展見送り。毎回大きなブースを複数構えていただけに、その喪失感は大きい。また、他のサーフブランドも規模を縮小したり、見掛けなかったり、やはりアメリカの景気の失速感は大きい。
そんな中でも相変わらず元気そうだったのはビラボン、ボルコムあたり。あぁ、この不景気の中でも、こういうところもあるんだな、という感じだった。昨年あたりからサーフィン市場に本格的に参入しているアルパインスターズも、他が縮小傾向の中で逆に大きなブースになり、人も集まっていていた。
以前JPSAで活躍していたジュン・ジョーがやっているインフォメーションというブランドも元気で、ブースの前は人だかり。また牛越峰統プロが坂口健二と手がけるハワイのブランド、BAYⅥ(ベイシックス) もブースを出していて、日本から駆けつけた牛越プロが宣伝に励んでいた。
全体的には大幅なトーンダウンといった感じのASR2009だが、相変わらず盛り上がっているところは盛り上がっていて、この不況の中でのブランド淘汰が進みつつあるといった感じがした。この傾向がそのまま日本にくるかどうかはわからないが、どうも今回の不況は、今のところアメリカに較べれば日本は全然オッケーといった感じがする。(つのだゆき)