サンタクルーズ小林のカリフォルニア情報
1/22から24まで、例年のようにASR(Action Sports Retailer Show) がサンディエゴで開催されました。今年は不況の影響で、各ブランド縮小傾向でした。というか、ほんととっても分かりやすい国です、アメリカは!?
たいていのブランドは、まず展示会の経費から削るそうです。展示会は場所代、ブースの設営、スタッフの移動費や宿泊費と、かかなりの費用がかかるので。それに展示会はショップ向けで、広告やライダーのようにエンドユーザーへの販売に直につながるものではないので、その分セールスが頑張れば良いと言うことらしい(セールスはたいへん!?)。それにカリフォルニアに本社があるブランドは「会社に商品を見に来てもらえばいいんだよ」なんて言っていました。
というわけでカリフォルニアに本社があるブランドの多くはASRには出展せず、フロリダで行われたSurf Expoのみの出展に絞っていたようです。
どのへんかというと、Quiksilver, Roxy, Hurley, Reef, Rip Curl, Rvca, Electric, Boardworksなどです。ASRに出してはいるものの、ブースがかなり小さくなったブランドも多く、Volcom, Firewire, Surftechなどがそのパターンでした。Channel Islandsはブースは出していないのですが、ガイドブックに大きく広告を出して、来た人に賢くアピールしていました。
各ブランド展示会をカットしても赤字なら今度は広告、さらにはライダー、さらには人件費となるそうです。大きな会社ほど深刻なようでクイックシルバーはつい先日アメリカ国内で従業員約3500名中の約4%となる150人のリストラを発表し、ヨーロッパとアジアでも早急に対策をとっていくそうです。。。
まぁ、そんな中がんばっているブランドももちろんあります!
相変わらず大きなブースを出していたのが Oakley, Billabong, Lost, Nixon, Dakine, Fox, Vans, Alpinestars, Oneillなどです。
それではASRでみたいろいろなブースを紹介しますね。
(上の写真をクリックすると写真が拡大して見れます)
ビーチはいつもと同じ
写真を撮ったのが初日の朝だったのでどこも人はまばらですが、それ以降はのんびり写真なんて撮ってられないほど多くの人がいました。
不況でも売れる商品を見極めに来る人が多く、サンタクルーズのブースにも多くのニューアカウントが来ていました。壊れにくい丈夫なボードは寿命が格段に長いため、コストパフォーマンスにすぐれるためだそうです。
ASRで見つけた業界誌におもしろいレポートが載っていました。もちろんアメリカでもまだまだフォームボードが主流なのですが、もうマーケットの20%はすでにモールドボードが占め、今も確実に増え続けているそうです。ショップにとってもモールドボードは変色や劣化がないため、ストックするのに安心だそうです。80%を占めるフォームボードでも、そのうちの1/4は丈夫なエポキシを使用していたりと、丈夫なボードへの需要は明らかに高いようです。
モデル別に言うとスラスターのみが現状維持、そのほかのクアッド、ツイン、フィッシュ、ファンボード、ロング、SUPはすべて減少傾向だそうです。不況のため最もベーシックなスラスターはいいものの、流行のクアッドや、金額の高いロングやSUPは顕著に減っているようです。サーフショップの今年の売上予測も40%が現状維持、40%が減少だそうです。。。
とは言うものの、ビーチはいつもと同じように、多くのサーファーでにぎわっていました。おそらく不況でもサーファーの数が減ることはないでしょう。逆に増えるかも!?昔からサーフィンは不況に強いとも言われています。一度道具を揃えてしまえば、そのあとは他のスポーツほどお金はかからないからです。海は何度行ってもただだし、サーフカジュアルも単価は安いし。
あとは賢く道具を選べばいいだけです。ほかの雑誌に「サーファーはこの不況にどう対処すべきか」という記事もありました。これもまた機会があれば紹介しますね。
サンタクルーズ
小林
詳細はこちらでも確認できます ⇒ http://scruz.blog84.fc2.com/blog-entry-162.html
小林 弘幸(コバヤシ ヒロユキ)
ENJOYサーフィンスクール・スーパーバイザー、サンタクルーズ代表、NSA公認指導員、海上安全指導員、NSA公認ジャッジ。毎年1,000人近い生徒にレクチャーし、そのフィードバックによりサーフィンをわかりやすく解説するためのメソッドをつねに研究している。