Cyrus Sutton サイラス・サットン、インタビュー

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 自由の意味を求めて男ふたりが旅をする、というストーリーはどうやらアメリカ文化に根付いた古典的なスタイルらしい。古くはアメリカ文学の名作「ハックルベリー・フィンの冒険」がそうだ。さらにはアメリカン・ニューシネマの代表作「真夜中のカウボーイ」、「イージーライダー」なども同様のスタイルを踏襲しているといえる。「イージーライダー」の劇中、アル中の弁護士役のジャック・ニコルソンは主人公のふたりにこんなセリフを呟く。「アメリカ人は個人の自由についてはいくらでも語るけど、実際に自由な個人を見るのは嫌なんだよ」。言い得て妙だ。
 そういえばサーファーという人種にも真に自由な人間が多いようだ。もしアメリカの古典になぞらえて、ふたりのサーファーが自由の意味を求めて旅をしたら…。カリフォルニアの映像クリエーター、サイラス・サットンの最新フィルム『Stoked&Broke』は、まさにそんなロードムービーだ。
 1月に日本でもDVD(日本版)がリリースされる最新作『Stoked&Broke』について、さらには彼が主宰する“Korduroy TV”について、サイラス自身が表現したいメッセージやヴィジョンを聞いてみた。



Special Thanks/Laid Back Corporation, Cinema Amigo Text &Photo : :Takashi Tomita

今作品を作ろうとしたきっかけ

『Stoked&Broke』の意味

途中の人びとの反応は?

旅の途中での様々なサーファーと出会い

『Stoked&Broke』で伝えたいメッセージは?

あなたのフィルム作品に通底する理念は?

今後のプロジェクト

プロフィール

『Stoked and Broke』トレーラー

上映スケジュール&DVD情報

今作品を作ろうとしたきっかけは? 

8.jpgcoutesey of Laid Back Corporation

まず今作品『Stoked&Broke』を作ろうとしたきっかけは何だったのでしょう?

ここ10年ほど、僕はプロサーファーを追いかけて世界中を旅してきた。最近は遠いところへ旅しないと楽しめないと誰もが思いがちだよね。だから、その逆のものを作りたかった。莫大な費用をかけずに、遠くにトリップしなくても楽しい時間を過ごすことができることを見せようと思ったんだ。

もともとは私のウェブサイト“Korduroy TV”の中でのシリーズ企画にするつもりだったんだ。でもラホヤでヴァンに住んでいるニーボーダーのスティーブ・ファーガソンと出会い考えが変わった。自由な人生がどんなに素晴らしいものかという話を期待していたら、逆に彼は自由だけを追い求める人生に対する訓話をしてくれた。自分の自由に責任を持つように、と。これがこの作品の発想の原点。そして、ウェブ用の短い映像ではなくてドキュメンタリー作品を作るべきだと考えた。

オーストラリアを舞台とした前作の『Under the Sun』は、入念に撮影計画をたてて制作に3年を要した。でも今回はドキュメンタリー作品として、流れを自然に任せることにしたんだ。お陰で、物事を自然に任せることの美学のようなものを今回学ぶことできたよ。