■2006年リップカールはカリフォルニアのイメージを全面に。
オーストラリア、トーキーに本拠地を構える「リップカール」は今更説明するまでもないクイックシルバー、ビラボンなどと肩を並べる世界中のサーフマーケットに広がるメジャーサーフブランドだ。その 「リップカール」 は昨年、パイプラインマスターズの冠スポンサーとなり、アメリカ・メインランド初の独立型のウイメンズイベントを南カリフォルニアのマリブで開催。更に長年連れ添った永遠のサーフヒーロー、トム・カレンとの仲を復活させるなど、目紛しいほどの動きを見せ注目を集めた。
昨年、日本のライセンシーが「ワールドサーチ社」に変わり、新たな船出となった日本の「リップカール」 は、 拠点を千葉の津田沼から湘南の茅ヶ崎に移し、心機一転サーフブランドの総合メーカーとしての再出発に活気に満ちあふれている。
9月下旬に東京・恵比寿で2006年の「リップカール」春物の展示会を行ったワールドサーチ社は、パワーアップした数々のリップカールのプロダクツをアピールした。いまリップカールはブランドイメージを全世界的にオーストラリアから、カリフォルニアへと移行している。本社もコスタ・メサに移転し、来春にはハンティントンビーチにベルズ級の超大型店舗をオープンさせるなど、大規模なイメージ戦略が開始されようとしている。
今回発表された来春のコレクションのメンズのテーマは「サーフクロージングの原点に立ち返る」。余計な装飾を排除してシンプルでグラフィック&ロゴをメインにフィーチャー。そんな中にも、やはりLAを感じさせるロックテイストなプリント柄も登場して、今までのリップカールイメージを払拭する商品も多く展示されていた。
レディース・ラインは「サーファーガールズ・サウンドトラック」をテーマに掲げ、そこから「エッセンシャル、ピュアサーフ」という2つの要素でデザイン展開。充実したレディースラインのなかでも、目を引いたのはASP-ウイメンズWCT「リップカール・マリブプロ」の関連の商材。大会のメインロゴなどをあしらったスイムスーツからボードショーツ、Tシャツなどがラインナップしていた。
日本に入っている多くの大手サーフブランド同様、リップカールも海外のプリントを使用して、ボディの素材、カラー、サイズなどを日本人にフィットするように国内で企画。その国内企画のもの8割に対して、ボードショーツなどのインポートものが2割を占める。そのリップカールのイチオシの商品の一つでもある「ボードショーツ」。7度目の改良を加えた「ステッチレス・ボードショーツ」は、インナーテープ、レーザーカットテクノロジー、エレクトロ接合縫製など、テクニカルなボードショーツに仕上がった。
また30年の歴史を誇るウエットスーツでは、新しく「BOMBウエットスーツ」をリリース。基本的にBOMBシリーズは、E-BOMBとF-BOMBという2つのセグメントに分かれ、E BOMBは、既に日本の市場に出ている究極のリップカール・エラストマックス(E2)ウエットスーツの進化系である。それは100%E2のスーパーストレッチ・ネオプレーンで造られた、世界で最もフレキシブルなウエットスーツ。この信じられないような柔らかさは、実際に店頭で実感してみてほしい。ちなみに、インポート対応だったE2モデルは、カスタムオーダーも可能になった。 |
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▲サーフィン総合メーカーのリップカール |
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▲ロックなデザインのものも |
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▲手前が新しいボムウエット |
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▲リップカールのボードショーツ |
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▲大会イメージの商品 |
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既に多くのインターナショナル・ブランドがマーケットに存在する日本のサーフィン市場において、JSPの時代から日本に浸透していたブランドも、時代とともに入れ替わったディストリビューターによって、そのブランドイメージを定着させる事を出来ずにいた。ここまで世界的にメジャーなブランドのグローバルなイメージと、日本のイメージのギャップを埋めることからワールドサーチ社は始めなければならなかったのだ。とはいえ、「リップカール」というビッグネームの名の下に、それにはさほど時間は必要ではなかった。そして、日本のサーフカルチャーの中心地ともいうべき、湘南で新生リップカールが発進する。もちろん日本の市場におけるリップカールへの期待も大きく、今後の彼らの動向には業界全体が注目している。「リップカール」は多種多様化するマーケットに対応できる商材を取り揃え、「家族全員で着れるサーフウエア」を目指して、サーファーに愛されるサーフブランドとして成長を続ける。
【問い合わせ】ワールドサーチ Tel:0467-55-2468
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