たとえ、そのスレーターが今年のクイックシルバー・プロに優勝したとしても、レイティング上の3名のサーファーがフランスでの世界タイトル決定を阻止する事が出来る。具体的には、現在レイティング2位のタジ・バロウ(AUS)が3位以上になるか,第3位のビード・ダービッジ(AUS)か第5位のミック・ファニング(AUS)がファイナルまで残れば、レースはムンダッカ(スペイン)まで続く。もしスレーターがフランスで2位またはそれ以下ならば、世界4位のジョエル・パーキンソン(AUS)はタイトルレースにとどまる事が出来る。また今回、トライアルで優勝したティム・ボール(FRA)をはじめ、ジョーン・デュリュ(FRA)とマイケル・ボウレズ(PYF)がワイルドカードとして参加。ニック・マスクロフト(AUS)とゲイブ・クリング(USA)が、怪我で欠場のネコ・パダラッツ(BRA)とディーン・モリソン(AUS)の代わりに出場している。
しかし昨日、トップ16のサーファーのうちのケリー・スレーター(USA)、ビード・ダービッジ(AUS)、ミック・ファニング(AUS)、ジョエル・パーキンソンを含む12名が、ラウンド1で破れ、ラウンド2でスレーターとダービッジは生き残ったものの、ファニングとパーキンソンが破れ、33位の最下位となる大番狂わせが起きた。ファニングは、シフティなコンディションで元WCTサーファーのゲイブ・クリング(USA)に僅差で破れ、ジョエル・パーキンソン(AUS)は、昨年のフランスでスレーターを破ったタヒチのワイルドカード、マイケル・ボウレズに破れた。
スレーターもラウンド1のヒートは、ワイルドカードのジョーン・デュリュに破れ、ラウンド2でもワイルドカードのティム・ボール(FRA)に危うく破れるところだった。そのヒートを終始リードされ続けたスレーターだったが、ヒート終盤に逆転。最後の9.00で勝利を封じた。「そのヒートは問題なく感じていたけど、一日中、何かがおかしかった。それが何かは分からないけど」とスレーター。
「ティムが良い波を最初に手に入れる前に、僕は彼が良いスコアを手に入れると感じていた。だけど自分もスコアをゲットして逆転出来ると感じていたんだ。彼は辛抱強く、良い波を待っていた。ワイルドカードと下位のシード選手にはずっと悩まされている。僕はトップの選手より,彼等に気をつけなければならないみたいだね」とスレーターが言った。
タジ・バロウ(AUS)はラウンド1に勝ったトップ5で唯一のサーファーだった。彼はティム・レイズ(USA)とティム・ボール(FRA)を倒してラウンド3へ勝ち上がった。「コンディションが非常に難しかったので、トップシードの選手のほとんどが負けたね」とタジが言った。「ここは潮が凄く変化するので、アウトに出て行ったその時の状況で戦わなければならない。だから、僕は正確な波を選んで、良い得点を出そうとしていたんだ。それほど凄い事はしていないけど、数本波を掴んだよ」前回のカリフォルニアではケリーに大逆転を食らったバロウ。「それを受け入れる事は、なかなか難しかったね」とバロウが言った。「ケリーはタイトルを獲得したも同然さ。数字的に彼を捕らえるのは、ほとんど不可能だから、いくつかのイベントで優勝したいと思っているんだ」
前3XASPワールド・チャンピオンで世界9位のアンディ・アイアンズ(HAW)は、今日のジハード・コードル(BRA)とのラウンド2のヒートに姿を現さなかったため最下位が決定。ジェレミー・フローレス(FRA)とエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
はラウンド2を生き残った。デ・スザはアリツ・アランブールー(EUK)とのシーソー・バトルに勝ち「ファニングとパーコが昨日負けるのを見たんだ。それで『これはトップ5に入れる自分のビッグチャンス』だって考えたんだ。それはタフなヒートだった」とコメント。またフローレスは、オーストラリアのダン・ロスを破る素晴らしいサーフィンをした。「僕は遅く起きて、ヒートの5分前にここに来たんだ。でも少しのプレッシャーも感じる時間も無くて良い感だったよ」とフローレスが言った。
そして、ポルトガルのティアゴ・ピレスもティミー・レイズ(USA)とのタフなヒートに勝ち、ハワイのフレッド・パターチア、フロリダのダミアン・ホブグッド、カリフォルニアのボビー・マルチネスとクリス・ワードはラウンド2をアップ。カイ・オットン、ミック・キャンベル、ルーク・ステッドマンを含むオージー達も明日以降に行われるラウンド3へ繋いでいる。
ネクストコールは明朝8:30(日本時間15:30)
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