更新日 2004年12月17日 (金) 11:31




【デイリー・フロー】のコンテンツへ戻るバックナンバーをご覧になる時はコンテンツからご覧下さい。

【12月15日水曜日】

ビッグウェンズデーって本当にそうなんだな。なんかいつもエディ・アイカウのときは水曜日って気がする。そして本日も水曜日。昨日からのお約束、クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウの開催なのだ。

昨夜のキャノンUSA主催のデジカメ講座の帰り、夜10時近くはまだ別になんてことない感じだったんだけど、起きてみればビーチフロントの我が家では庭にまで波が入り込む大変な騒ぎ。シェーンはまだ真っ暗な朝の5時半にはすでにワイメアに向かった。でもね、それでも歩いて10分ぐらいかかる場所にしか車を停められなかったんだって。選手なのに! 知り合いのカメラマンは4時半に現地到着したのだけれど、もう停める場所を探すのに大変だったとか。言われてみれば昨日の帰り、すでに車がたくさんワイメア周辺に停まってたもんな。もうなんかプラチナチケット入手のための前夜からの行列状態。そういった状況はサンセットやパイプでも同じことで(ここまでひどくはないけれど)、年々冬のノースの混雑はひどいことになっている。特に今年はハリウッドの映画やテレビドラマの影響で、大混雑なのだ。言ってみればNHKのご当地ドラマが流行った後のご当地みたいな感じ。結局私は行きに家の人にワイメアに落としてもらって、帰りはシェーンの車で帰るシステムをとらざるを得なかった。ふぅ〜。

みんな30分以上歩いてきたりしてるわけよ。ま、一生に一度そのタイミングに出会うか出会わないかという幸運だから、それもペイするかもしれないけど。
ついてみればワイメアは20フィートそこそこ。決して巨大な特別なワイメアという感じではないし、波質も今ひとつ。午後にはオンショアになるのがわかっていた。以前だったらキャンセルもありなコンディションだ。しかし今回からは多少サイズが小さくてもやるということになっているし、昨日の時点で、コンテストはGOのアナウンスをしていた。だからやってもおかしくないし、やらなくてもおかしくないこのコンディションはGOだ。

招待選手24人が4ヒートに別れて数年ぶりのエディ・アイカウを戦った。コンテストフォーマットは1ヒート60分、マキシマム4本で2ラウンドやり、そのベスト4ウエイブカウント。ポイントは5人のジャッジが1本の波を各自20点満点で採点する。満点は100点。ベスト4は400点満点ってことだ。

朝のうちは風もなく波も良かった。ラウンドワンでまずアンディが特大のセットに乗った。これはこの日一番大きな波だった。25フィートクラス。これに99点がついた。しかし、その次のヒートでブルースは大きな波に乗りインサイドまでつなぎ、インサイドのショアブレイクのチューブに突っ込む。そして右手の人差し指を立てたイチバンスタイルで分厚いクローズアウトに消えていった。もうずいぶん前の、あの年のエディを見た人は確実にマイケル・ホーを思い浮かべたはずだ。何回か前のエディのとき、マイケル・ホーはそのインサイドのショアブレイクのチューブの天井を見上げて、笑いながら消えていった。そしてライフガードにレスキューされた。表彰式ではブルースがもちろんマイケル・ホーのあれに影響されてやったのだとコメントしていた。そこにはマイケル本人もいた。

今回のブルースは無事だったが、あのショアブレイクは今のところどう考えてもメイクできない。しかし、とんでもない沖でテイクオフするサーファーがインサイドまで来ればビーチを埋め尽くした観客は沸きに沸く。もしかしたらその地面を揺らすような歓声がサーファーに届くのかもしれない。それでああいうサービス精神旺盛な性格の人たちは、つい気持ちよくなっていっちゃうのかもしれない。ただし、冷静に見れば自殺行為。ショアブレイクのリップはとてつもなく厚く、出口はなく、水深は浅い。だからこそジャッジはこのブルースのライディングに100点満点を出した。ワイメアは観客に見せる場所なのだ。

その後風がオンショアになり、波のサイズも落ち始め、午後はちょっとダレ気味。結局この日一番ビーチが沸いたのはブルースのその1本だった。一番でかい波だったのはアンディの1本。しかし印象に残っているのはケリーとシェーンの波に対するアプローチ。このふたりは他の選手が少しでも大きな波に行こうとしているのとは違って、少しでも掘れている波を奥から行くという感じの攻め方だった。もしワイメアがもっといい状態で、チューブ可能なコンディションだったら、このふたりは間違いなく、まるでバックドアのようにワイメアのチューブをぬけてくるのだと思う。

結局この100点が効いて、その後のブルースは飛ばしまくり、なんと初めてのエディで初優勝をあげる。1位から6位まで表彰があり、2位の名前が読み上げられたとたんにブルースはその場で何回も何回も両手を上げてジャンプした。ステージに上がった後もまたジャンプ。あんなに嬉しそうなブルースは初めて見た。そりゃそうだ。ワールドタイトルを取ったサーファーですらエディ・アイカウのタイトルを取れないサーファーはごまんといる。もしかしたら世界で一番難しいタイトルかもしれない。それを初出場で取っちゃったんだから。ブルース・アイアンズという選手はこういう、なんか神様に選ばれた運を持っている感じの付きまとう選手だ。

2位にはロス・クラーク・ジョーンズ、3位にシェーン・ドリアン、4位にアンディ・アイアンズ、5位がピーター・メル、6位にディフェンディング・チャンピオンのケリー・スレーター。

このスウェルが落ち着き、明日は砂も取れて調子のよさそうなパイプでのコンテスト開催が濃厚。ブルースは朝イチのヒートに当たっている。よってパーティはお預け??

 




photo:snowy,

優勝のブルース
ショアブレイクに突っ込むブルース
コンテスト会場
物凄いギャラリーが集まった
コンテストボード


トップページへ戻る▼ トップページへ戻る

 

 ■ご意見、ご感想はこちらまで。■
 Copyright Surfmedi@.2004 当サイトに掲載されている写真、 及び全ての原稿の無断転載を禁じます