更新日 2004年12月20日 (月) 14:32




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【12月19日日曜日】

なにがあってもやるって昨日のバーニー・ベイカーとランディ・ラリックの話にウソはなく、昨日より大分サイズは下がったものの、ちゃんとチューブのあるパイプ、バックドア。昨日はただダラダラとでかいだけだったからね。

で、本日は5−8フィートのパイプ。昨日おとといよりは今ひとつ小さめのコンディションだが、コンテスト開催には十分。午前中は10点満点も可能な波がパイプ、バックドア共にあった。ウェブウォッチャーのみなさんはすでにご存知の通り、勝ったのは弱冠21歳、このパイプ、バックドアを家の庭先として育ったジェイミー・オブライエンだ。リップカールのスポンサーシード。う〜ん、でもなんか個人的には納得行かんなぁ。勝ったのはジェイミーであることには間違いないし、ファイナルは下3人を全員コンビネーションだから、ぶっちぎりなんだけどね。なんかすっきりしない。だってセミファイナルまでは今日は完璧にケリーとブルースの日だったから。

本日1発目の10点満点はティム・カラン。パイプの深く長いチューブを抜けて、本人初のパイプでの10点満点をゲットした。ティムはセミでもあわや10点かというバックドアをゲットするのだが、出口の最後でたたかれた。あれ、一瞬の差で出てくれば2本目の10点だったな。

お次の満点はQFの1本目のケリーのバックドア。そして同じヒートのブルースもバックドアで10点満点。もう間違いなくこのふたりは、このままファイナルで1位2位争いだなって感じだった。妙なことになっちゃったのはセミ。ブルース、ケリー、ジェイミー、コリーの2人のセミファイナル2ヒート目。この頃になると波数が減り、なかなかまともに出口がある波がやってこなくなる。それでもブルースは毎度のように速攻作戦でハイポイントを揃え、安泰。ケリーも8点と5.17で問題なく2位につけ、やっぱこのふたりだな、という感じだった。しかし、無茶な突っ込みで下手すりゃ大怪我、うまく行けばハイポイントという攻めのスタイルのジェイミーが特大のバックドアを抜けてしまい9.5をメイク。コリーもパイプを抜け、4位に転落してしまったケリー。でも必要だったのはわずか7.58。出口のある波がくれば、パイプでもバックドアでもケリーにとってはなんでもないポイントだった。しかし、その波は最後までやってこなかった。もうまさに2004年度のケリーの典型的な負けパターン。なんなんだろうなぁ……あれ。

で、ファイナリストはカラニ、サニー、ブルース、ジェイミーのオールハワイアンファイナル。こりゃブルースだなと思いきや、このファイナルは最初から最後までジェイミーの完勝ペースという意外な展開だった。どうやら勝利の神様はセミから急にジェイミーにべったりになったようだ。オープニングが7.17、次が8.00、そしてとどめの9.97。その間他の3人はろくな波に乗れず、結局2位以下3人を全員コンビネーションというぶっちぎりだった。

文句なく勝ったのはジェイミー。でもすごかったのはブルースとケリー。サーフィンの技術的に、パイプ、バックドアともダントツだったのはケリーという2004年のパイプだった。個人的に私は今のパイプ・バックドアのサーフィンは、すでに命知らずの勇気の争いではなく、レールコントロール、スピードコントロールの技術の争いになっていると思っている。だから不安定なコンディションでの突っ込み合戦で、運がよければ命知らずの突っ込み野郎がチューブを抜けて勝つという勝負は好みではない。出来ればいい波がガンガン入って、誰にでも10点の可能性のある波が2本づつ来るようなパイプが見たい。そこでテクニック勝負になって、ミスしたものが負けていくというような、運や無茶のあまり入り込まない純粋なワザ勝負……。面白いだろうな。ま、そうなるとケリーなんだけどね。それだけケリーの技術はずば抜けている。同じ10点満点のスケールで採点するなら、ちょっとアンフェアなんじゃないかと思うぐらいだ。彼のチューブの深さとスピードコントロール技術の高さは他を寄せ付けない。ケリーの10点を10点とするなら、他の10点はすべて9点だ。ま、それでも負けは負けなんだけど。

勝ったジェイミーは本当に嬉しそうだった。小さいときから夢に見ていたパイプマスターズへの出場。しかもそこで優勝なんて、そりゃ言葉もないぐらい嬉しいに決まってる。次のジェイミーの目標はWCTクオリファイだ。

ハレイワで優勝しているサニーはファイナルで3位以上になればトリプルクラウンが決定。サニーは2位だったから、6度目のトリプルクラウンという栄誉を獲得した。3位にカラニ・ロブ、4位にブルース・アイアンズという結果。

 




photo:ASPTOSTEE,KAREN,

歓喜のジェイミー
ケリーがダントツだった
ブルースも凄かった
攻めたジェイミー
ファイナルはオールハワイアン


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