更新日 2005年12月14日 (水) 11:54




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【12月13日火曜日】

ここのところ波に恵まれず、コンテストはちょっとお休み。

次のスウェルがやってくるのを待つ日々なのだった。

なんだかんだいって、ここハワイに到着してから1週間がすぎたわけだけど、まだまだ、タダひたすら着いたばっかりな違和感を抱えたまま。たぶん、このまま帰ることになるんだろうな。私がステイしている家はジョン・カーパーというシェイパーの家で、シェーン・ドリアンの昔からのメインシェイパー。WCT選手たちにも人気が高く、サンセットの試合じゃアンディがJCに乗って勝ち進んでた。

よって、この家はクラーク・フォーム問題のまっただなか、渦中ってこと。皆さんそれはそれは毎日この問題に振り回されてお忙しそうだ。よってインサイダー情報も入り放題。すでにブランクスの価格は跳ね上がり、それに連れてサーフボードの卸値も上がった。当然、ワイキキあたりのサーフショップでのボードの価格は一気に200ドルも跳ね上がったという話も流れてきている。

新聞では連日このニュース、あるいは関連情報がビジネス面をにぎわし、テレビではCNNのニュースにも出て、影響は拡大し続けている。

大手ボードメーカーはディーラーにボードを流すために高くなったブランクスだろうがなんだろうが、前金で予約を入れて確保するしかなく、そのための金策に必死だし、小さいところは金を出して買おうにもすでに品物は大手に買い占められた後の状態。やむなく工場を閉鎖するところも出ていている。

サーフテックだのなんだのと、このところのサーフボードの流通改革で、本音は工場を閉めて外注生産したいと考えていたところもあったりして、それらの工場にとっては、この事件が業務整理のいい口実にもなっていることは確かだ。

どちらにしてもこの問題が近い将来、長くても2ヶ月(国外からのブランクスが供給される)で終結する事は確実で、そう大騒ぎする事でもないのだが、問題なのは跳ね上がったサーフボードの値段。これはそう簡単に戻らないのが、このテの問題における常識だ。もともとクラークフォームに関係のない、別の会社のフォームで板を作っていたところだって便乗値上げするに決まってるわけで、日本の価格の半額程度だったアメリカのボードがいまや横並びで日本並みの値段になっている。10万円近いラインだ。そうなると、日本の市場でのボード価格はいよいよ20万円に突入するのか?

でも一度そうなったら二度と元には戻らないわけだから、皆さん便乗値上げはやめましょう、とお願いするしかない。でも上がるんだと思うけど。こういうときに儲けるやつって必ず居るじゃん、インケンなやつ。ま、最終的にお金を払う消費者は落ち着いて、冷静に行動する事が一番だと思うよ。パニックは利益を生まないから。

このクラークフォームショックは、業界の整理統合、そして価格上昇の引き金になる事件だという事がいえる。ただし、それはバブリーな側面で、実態はオーダーサーフボードの納期が多少遅れるぐらいの影響しか出ないはずなんだけどね……そこから先は人々のパニックが起こす悲喜劇なのだな。

 


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