更新日:2005年12月18日 (日) 11:53




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【12月17日 土曜日】

やっぱ、やるわけだな。だって思ったよりずっと風は吹いていないし、スウェルはちゃんと持ってて、4-6フィート。ちょっと小さ目だけど、まったく問題のないクリーンコンディションだったから。昨日よりももっとバックドアが多めだったかな。

午後には確実に風が吹いてくるから、とにかく早いうちにやっつけちゃいましょ、みたいな。QFの4ヒートはなかなかいいコンディションだったと思う。セミから怪しくなってきて、ファイナルは、あ、やっぱこうなっちゃったか、みたいな感じ。

ディフェンディングチャンピオンのジェイミー・オブライエンは、時折、本当に時折、1ヒートに1本ぐらい入ってくる幻の爆弾セットを狙い続けて、結局メイクできずに敗退。そのかわりにリップカール代表として着実に勝ち進んでいたのがミック・ファニングだった。ただね、ミックファンには申し訳ないけど、私的には彼のパイプでのチューブは10点とか9点後半の出るチューブじゃないと思う。テクニカルな難易度が低いから。きれいなチューブの波をきれいに抜けてくる。それだけ。

ヤバイけど、わずかに抜けられるタイミングのある波をつかんできっちり抜けてくるアンディや、ほかの誰にも抜けられない波を抜けてくるケリーに比べたら、やっぱ、見劣りする。この辺はすごく玄人な、というか、マニアックな目なんだけど、ちゃんと見える人には、ケリーが抜けている波と同じ波を、他の人はダンパーで抜けられていない事が見分けられるはずだ。

テイクオフの場所もそう。奥の奥、ピークの裏からアプローチする。それでチューブにもっと長く入れるわけだ。だから、ケリーにとってはバックドアの波だったのに、ジャッジの目にも、カラニ・チャップマンの目にもパイプの波にしか見えずに、セミファイナルでインターフェアをくらった。あれは世界中でただひとり、ケリーにだけのバックドアの波で、他の人すべてにとってはパイプの波でしかない。でも見える人には、ケリーがバックドアで10点を出すときには、いつもあそこからテイクオフしていた事が思い出せるはずだ。

ま、インターフェアをくらおうがくらわなかろうが、本日のケリーのサーフィンのピークはQF。セミファイナルの出来は最低だった。あれだけダメだと本人も納得いくんじゃないだろうか。

そのピークのQFはすごかったな。9.23と9.43。技術的には9.23のヤツのほうが上だったように思う。テイクオフのあと、巻き上げられるようにもってかれたハイラインからどうやってボードを止めて、なおかつスピードを上げて抜けたのか。

ま、どんなに技術があってもそれを発揮できなければ負けるわけで、セミのケリーはクオーターとは別人。完敗だった。

セミの2ヒート目は二転三転のアイアンズ兄弟対決。ルーク、サニーの引退組は後半ちょっとそれに置いて行かれた感じだ。この兄弟の意地の張り合いは結局アンディに軍配が上がったけど、仲良くふたりともファイナルにコマを進めた。

ここまで残った引退組のルークとサニーは20年来の仲良し。ずっと一緒にツアーを渡り歩いてきた。出会ったのが84年の日本、ツアーをスタートしたのが86年。そのふたりがキャリアの最後を飾るヒートで一緒になったのもめぐり合わせだし、負けた相手がアイアンズ兄弟というサーフィン界の将来をになうハワイアンというのもめぐり合わせ。ドラマってドラマなんだよね。

アイアンズ兄弟のほかにファイナルにコマを進めたのはミック・ファニングとカラニ・チャップマン。しっかしね、このファイナルはアンディの1本目のバックドアで決まっちゃった感じかな。それまで、アンディもブルースも選んでてなかなか波に乗らず、その間カラニやファニングがチョコチョコポイントを稼いでいた。そこまでなりをひそめていたアンディは、バックドアのセットが来ると迷わずテイクオフ。ストールしてチューブ、出てきてもう一度ストールしてチューブ。ストールしてチューブっていうのは、それだけ波が遅いわけで、波がダーンと落ちてきてチューブに入っちゃったのを抜けてくるより、見た目がスローだ。よってそれほどエキサイティングではない。

ま、ダブルチューブだったけど、DJ以外は特に興奮ではないマックス9点ライド。しかし、これになんと10点満点が出てしまった。

この序盤の10点っていうのはそのあとの試合の行方をを決めてしまうことが多い。だって、ベスト2で誰かがすでに10点出してたら他の3人はやんなっちゃうでしょ。で結局そのまま完全なアンディペース。

ワールドタイトルはケリーだったけど、パイプマスターとトリプルクラウンはアンディってことで、これにて一件落着。みたいな、めでたい結末になった。

遅ればせながら、女子は昨日、最終戦のマウイまでもつれ込んだタイトルをチェルシー・ジョージソンが勝ち取り、初のタイトル、そしてトリプルクラウンもゲットした。

優勝のアンディとブルース。

アンディ、3Xクラウンも獲得
ファニング
ケリー、セミで敗退
サニー引退
セットを狙ったジェイミー
photo:ASPTOSTEE,


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