更新日: 2006年3月10日 (金) 12:29




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3月10日 金曜日

お約束どおりに朝8時過ぎにDバーでセミファイナルがスタート。波もお約束通りにヒザ〜腰、たま〜〜〜に胸ぐらいのセット。でもパワーレス。そしてこれまたお約束通りにこの波でもひとりだけまったくサーフィンが違ってたケリー。んでもってお約束通りのファイナルと結末。賭け事にならなかったかな。

朝見た時点で、この波だったら何でもありかなぁ……と思ったけど、セミのケリー対ボビー・マルチネスが始まると、昨日に引き続き、あ、本当にごめんなさい。お見それしました、みたいな。いやいや、あの波でもなんか全然違う事やっちゃうんですね、って感じ。いったいどうやったらあのヒザ波でドライブターンの連発とか出来るんだろう。他のサーファーがパンパンはたいて行くところを、フツ〜に伸びのあるターンでかわしてたから。

このヒートはもうプライオリティなんか関係なかったからね。ヒートのほぼ全般でボビーはプライオリティを握ったままだったけど、プライオリティを持っていないケリーにコンビネーションだったから。もうね、嫌がらせか? ぐらいな差。ケリーのベスト2の9.17と8.67はどっちもプライオリティのないインサイドの波。決めなくちゃいけないってプレッシャーの付きまとうセットの波よりも、ハイポイントが出ればラッキーぐらいなプライオリティ待ちの波のほうが思い切りのいいマニューバーが描けるし、無茶も出来る。そしてその無茶は計算しつくされた無茶。もう何でやねん?? みたいなビックリマニューバーばっか。やっぱね、WQSとWCTのサーフィンの差が出ちゃったかな。っていうより、ケリーの次元の違いが見えちゃったかな。

同じように次のセミでもWQSとWCTの差はくっきり。話題(私はこの人にはノー興味)のスーザは何をやっても7点台どまりでポイントが伸びない。何故って、やはりタジと比べるとレールがまったく使えてないし、前に前に行くサーフィン。エアーのアプローチもコブに合わせて飛ぶみたいなスタイルで、深いボトムターンから飛び出すWCTのサーファーのエアーとはちょいと違うのがバレちゃった。リップも甘いし。今年のジャッジは侮れないな。この辺のすごく細かいディテールがしっかり見られちゃってる感じだ。

で、ルーキーのおふたりさんにはご苦労さんアンドおめでとさん。ま、WCT3位スタートって夢のような現実なんじゃないかな。

で、予想通りケリーとタジのファイナル。タジのサーフィンのピークはどうやらセミだったようで、ファイナルのタジにはセミの勢いはなかった。セットの波に乗ってもやはりケリーと比べてしまうと何をやってもポイントが伸びない。結局終わってみればケリーの完勝。

本人的にはミスのあるヒートもいくつかあったようだが、はたから見るとどのヒートも圧倒的な勝ち方。この先普通に波が来て、普通に乗ったら絶対誰にも負けないだろうなっていう、サーフィンの技術というかレベルの差がくっきり見えた試合だった。

でもこれは、私の想定内。どんな波でも、たとえヒザのオンショアでも、あそこまで止まらない、レール、レールのサーフィンが出来るサーファーは世界中で今のところ、ケリーひとり。そして、ビッグウエイブでのチャージとチューブ内のレールコントロールのうまさもずば抜け。もう、他のサーファーが勝つには運を味方にするしかないと思う。オールラウンドにすべてが世界一ってサーファーは今までのサーフィン史上で初めてなんじゃないかな。

この最高の滑り出しで、ケリーの今シーズンの引退ってのは薄くなったと思う。とりあえずこの後、ベルズ、タヒチ、フィジーあたりまでは確実に出てくると思うよ。よってファンの皆さん、ご安心のほどを。

ヒザ波でドライブターンの連発

どのヒートも圧倒的な勝ち方だ
止まらないレールのサーフィン
オールラウンド世界一
セミの勢いが無かったタジ
話題のスーザだが
photo:ASPTOSTEE、ROBERTSON
 


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