更新日: 2007年9月16日 (日) 11:49




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現地9月15日 土曜日

ま、ビールぐらい先に飲ませてちょうだい。
ぷは〜っ。う〜ん!! と、うなっておいて、来ましたね、ファニングにとって最悪の男が後ろに。ね、こういうチャンスは逃さないでしょ。今までプロになって17年、ずっとそういう風にやってきたんだよ、ケリー・スレーターって。こういうミラクルな逆転劇を、今まで何度ものにしたことか。

唯一残っていたA.S.P.の記録更新、ワールドツアーで通算33勝。これもひとつ破って34勝目。これですでに書き換え可能な記録はすべて自分の名前に書き換えたわけ。残るは自己記録の更新のみ。すごいな。

プロでの初勝利が90年のここ。そして記録更新の34勝目もここ。そしてファニングとの差は230点。ま、とはいってもアジャスティングにすると、まだまだだいぶ離れてるんだけど。やっと背中が見えたぐらい。この先ケリーが常時セミファイナルペースで、ようやくひっくり返る感じかな。

波は昨日よりサイズアップ。かなり波の入ってくるヒートと来ないヒートに差があったけど、まずは話題の若手ふたりから。デーン・レイノルズは、この試合でことごとく決めていたカーヴィングリバースのファーストマニューバーを1本目でワイプアウト。その間にCJがチューブで7.33。これでもうすっかりリズムが狂った。そのあともワイプアウトが目立ち、今までのデーンの安定感みたいなものがまったくなくて、なんかフリーサーフィンはやたら上手いのに試合はダメだった頃のデーンに戻ってた。

ジョーディは、本当に波のないヒートに当たってしまい、波数が少ないのを読みきったベン・ダンの巧妙なヒート運びにやられた。こういう状況判断は、やっぱすごいな。さすが名コーチの息子。ジョーディもちゃんと波に乗れれば5点勝負だったから勝てたはずなんだけど、30分ヒートで20分以上波待っちゃうと、なかなか追いつかないよね。波来ないんだから。終盤はあせってインサイドの波にテイクオフを繰り返すドツボ。ま、もう少し早めに仕掛けていれば……って感じかな。

行きがけのフリーウエイに「アイラブワード」のバナーが出てたぐらい、ここじゃ人気のローカルボーイ、クリス・ワード。朝一ヒートで今までのようにしっかり集中して自分の仕事が出来てたけど、それ以上に集中出来てた感じだったのがトロイ・ブルックス。ワードがどうこうより、トロイの出来が良かった感じかな。

事実上のファイナルはQFの第3ヒート、ケリー対テイラー。どっちもアメリカ、地元なだけに、ギャラリーは大盛り上がり、しかもこのヒートは5フィートクラスのセットがガンガンやってきて、見ごたえ十分。始めケリーに8.50、9.73と先行されてコンビネーションになるんだけど、中盤のセットの波で、えっ、あれがテイラー?? みたいなすごいリップを連発。もうこの波が入ってきたときにはビーチ全体がウォ〜、って感じだったけど、そのマニューバーが出たときには、もっとワ〜オみたいな、すごくエキサイティングなライディング。これに10点満点。でも、それでも8.23必要だった。きついな、相手が。その後ケリーが8.87で差を広げ、それでも再びセットがテイラーにやってくる。これは9点以上の波。ふたつ目までのマニューバーがすごくよくて、あ、これは……と思いきや、無理をしすぎた感じで3発目にワイプアウト。やっぱり思いっきりのカーヴィングやリバースのコンビネーションは相当難しいんだな。このワイプアウトがなければ勝負はわからなかったけど、結局これでゲーム終了。10点満点持ってても負けてしまったテイラーだったけど、このヒートの後にはテイラーもケリーもギャラリーからの大拍手喝さいを受けていた。

ファイナルはパンチョ・サリヴァンとケリー。パンチョはここまで、セットの波できちんと、進化した今風の自分のサーフィンをして勝ちあがってきた。ただな、QFから先スイッチが入っちゃった感じのケリーが相手じゃ、ちょっと無理だったかも。しかも、本当に波の来ない、低いスコアラインのファイナルだったから。でもま、パンチョとしてはこれでランキング8位、リクオリファイほぼ確定だから、嬉しそうだったよ。ま、それより嬉しそうだったのはケリー。昨年のベルズから16ヶ月ぶりの優勝だから。

次のフランスでなにが起こるか。とにかくガッチリ鍵のかかってたドアは開いちゃったわけよ。少しだけど。で、それをこじ開ける天才がドアの前に立っちゃったってお話。

▲来ましたね。ケリー
▲ファニングとの差は230点
▲記録更新の34勝目もここ。
▲パンチョはこれでランキング8位

▲テイラーすごいリップを連発


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