写真:不完全燃焼だったムードを払いのけてくれたのがブルースの9.87の1本。
現地12月10日水曜日
あっという間に終わっちゃいそうな今シーズンのパイプ。次のスゥエルを待つのかなと思いきや、連日のフルデーコンテストになった。昨日よりサイズはちょっと小さめだけど、朝のうちは相変わらずコンスタントに波の入るバックドアがいい感じのコンディションだった。しかし、ラウンド3に入る頃から波がんだん不安定になってくる。きのう上がって、今日はドロップしていくスゥエルだからそれもしょうがないんだけど。
そういうコンディションの変化で本日は優勝候補の一角と思われる選手の敗退がいくつかあった。どれも同じような負け方。10点近い9点代後半のスコアを持っていて、2本目がなく、アベレージスコアで十分なのに波が来なくて敗退、みたいな。ブルース・アイアンズやシェーン・ドリアンがそうだった。ラウンド2の後半で、昨日の、なんか不完全燃焼だったムードを払いのけてくれたのがブルースの9.87の1本。いやぁ、そうそう、こういうサーフィンがマスターズよね、みたいな。ハイラインの使い方、ホントうまいな、ブルース。同じ家をシェアしているシェーンはデーン・レイノルズと当たったけど、波がしっかり見えていたのがシェーンだった。経験の差がありあり。正確にバックドアのチューブになる波を見極めていた。
ラウンド2まではブルース、シェーン、ダスティ・ペインあたりがいい感じだった。ところがその3人全員がラウンド3で負けてしまう。ダスティン・ペインはもうしょうがないかな。相手のパーコちゃんがすごすぎ。20点満点で20点だから。10点2本。そのうちの1本はもう15点でもいいです、ぐらい。深さも長さも、え、なに? 今のなに? みたいな、ケリーがスイッチ入っちゃったときのバックドアバレルみたいだった。出てくることはありえない、って感じで目をそらすようなヤツ。ま、もう1本のほうはう〜ん、10点かぁ? だったけど、どっちにしても9点2本は確定のべスト2だったから、相手が悪かったとしか言いようがないな。
ブルースは9.60、シェーンは9.63とハイスコアを持っていたが、8点7点をそつなくそろえた相手に負けていった。ま、どういうことかというと、わからないで見てれば、あ、こっちの人のほうがすごい、みたいなインパクトのあるほうが負けるってことだ。ブルースのバックドアは相手のトム・ウイッタカーに比べればテクニック的にも見事だったし、エキサイティングだった。シェーンのフリーフォールテイクオフからのバレルは、出た、ドリアンお得意のチャージ。ディフェンディングチャンピオンのビード・ダービッジよりだいぷ派手なパフォーマンスだったけど、あと1本が来なかった。シェーンなんて4.5とかで逆転だったから、波さえ来れば問題ないはずだったんだけどね。ま、そのぐらい後半の波はコンスタントじゃなくなってきてた。
ファニング、タジ、CJあたりも2本目に泣いた。ケリーはなんかもう余裕っていうか、フツ〜に余裕。フツ〜に、淡々とバックドア攻めて、淡々と抜けて、ただひとりバックドアからパドルアウトして、危なげってものがまったくないヒートだった。トラッスルズから姿を見せなかったアンディ。このパイプには出てきて、アンディらしいバックドアバレルをメイクしていた。
今夜からストームに入り、それで波が上がるとすれば金曜日。金曜日には早くも今年のパイプマスターが決まるかもしれない。こんなに早く終わっちゃうとなんか困るな。まだ到着して3日ですから。
写真:パーコちゃんがすごすぎ。20点満点で20点だから。10点2本。
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