【現地2008年9月11日木曜日、サンクレメンテ、カリフォルニア】ASPワールドツアー第7戦「ブーストモバイル・プロ・プレゼンテッド・バイ・ハーレー 」が終了。ケリー・スレーター(USA)はファイナルでタジ・バロウ(AUS)に18.97対18.63で勝ち,3度目のブーストモバイル・プロ・タイトルを手中に収めた。この勝利で彼は、記録的な9度目のASP世界タイトルを、早ければ次のイベントで決定する可能性もある。
ファイナルの前半から飛ばしたバロウは、9.00と9.63というスコアラインで、スレーターをエクセレントなスコアリング・ウェイブのコンビネーションが必要な状況に追い込んでいた。そんな状況下でもスレーターは、今シーズン5度目の優勝を勝ち取るため、8度のASPワールド・チャンピオンは大逆転で勝利した。「僕はただ本当に面目を保とうとしていただけ。タジにやられると思ったよ。彼は燃えていたからね」とスレーターが言った。「僕はコンボの状態から抜け出ようとしていた。みんなに良い試合を見せたかったから。
僕は小さい波で9.7を手に入れたんだ。それはクリーンなフェイスを持っていて凄くスピードが出て,ビッグなカーヴィングも決まった。それでコンボから普通の状況に戻れたんだ」。9.7をスコアしたとはいえ、スレーターが逆転に必要なスコアは8.93という高いスコアだった。バロウは、残り時間2分を切ったところで、スレーターに非常にアベレージに見える波を与えてしまった。- 彼は、そのミスで勝利とその素晴らしい優勝賞金を失った。今回のイベントのプレゼンティング・スポンサーのハーレーは、基準の30,000ドルの優勝賞金に、さらに45,000ドルを加算。今回の勝者は、75,000ドルを手に入れることになったのだ。
「タジには優先権があった。そして、それはセットの最初の波だった。彼は多分、それがバンピーになると思ったのだろう。彼が僕に与えたその波で,いろんな事が出来たのさ」とスレーター。「その波は凄く良い波だった。でもそれはセットの最初の波だった」今日のファイナルは、通常の35分であるASPファイナルより5分長かった。スレーターはパドルアウトする前に,バロウとコンテスト・ディレクターを説得してヒートを長くさせたのだ。「僕等は行って、ヒートの前にコンテスト・ディレクターのマイク・パーソンズと話した」とスレーターが言った。「タジは35分でヒートをやりたがっていた。僕が40分のファイナルにしようといったんだ。もし35分のヒートだったら,僕は負けていたね」
写真:
2位のタジ・バロウ(AUS)
■タジは目の前にあった優勝を逃した。
「僕が優勝出来ると思ってた」とバロウが言った。「あの波に高得点を出せる可能性があったとは思わない。僕は、波が彼にそうさせたんだったと感じている。彼は、たくさんのエネルギーを持っていた。彼はケリーだよ。そして、彼はそれをフィニッシュした。彼は最後にも波を掴んで、それが良い得点になると分かっていた。僕はこれ以上何もできなかったね。最高の波を選択して、本当に良くサーフした。だから本当にがっかりだよ。彼は本当にハングリーで、結局それをつかみ取ったのさ」。
バロウは今回の結果で世界4位から2位にジャンプアップした。しかし、そのことはほとんど彼の慰めにはならなかった。「僕は彼を捕えるのは不可能だと思っているから、レイティングは気にしていない」とバロウ。「僕は、イベントに優勝したいだけだった。僕は出来ると思っていた。でも出来なかったから本当に残念だ」。
スレーターが、9度目の世界タイトルを決めるためには、次のフランスで優勝しなければならない。しかし、たとえ彼が優勝しても、バロウが3位になるか,ビード・ダービッジ(AUS)かミック・ファニング(AUS)がファイナルまで残れば、レースはムンダッカ(スペイン)まで続く。もしスレーターがフランスで2位またはそれ以下ならば、世界4位のジョエル・パーキンソン(AUS)はタイトルレースにとどまる事が出来る。数字的には、もしバロウが今日優勝していたら、スレーターは次のイベントでタイトルを掴めなかった計算になる。
写真;ケリー
■ビード・ダービッジとジェレミー・フローレスが3位
スレーターは、2006年のブーストモバイル・プロ・チャンピオンのビード・ダービッジ(AUS)をセミファイナルで下した。
そのヒートは、2006年のローワー・トラッソルズでのファイナルのフラッシュバックのようだったが,結果が異なった。「僕には最後の波でファイナルへのチャンスがあった。でも前足が滑って,セクションの後で捕まってしまった」とダービッジが言った。
また、接戦の末、タジ・バロウに破れたフランスのジェレミー・フローレスは「今日のこのオンショアで小さいライトブレイクはタジ(バロウ)が最も得意とするコンディションだった」とフローレス。「でも良い波にも乗れて,次のフランスのウオームアップにもなったし,良かったよ」とコメント。その他にファニング、ブラジリアン・ルーキーのヘイター・アルヴェス、カリフォルニアのボビー・マルチネスとデーン・レイノルズはクォーターファイナルまで勝ち進んだ。次回の2008年のASPワールドツアーはハセゴー(フランス)で9月19日にスタートする。
ブーストモバイル・プロ後のASPワールド・ツアー・レイティング。
1. ケリー・スレーター(USA)6820ポイント
2. タジ・バロウ(AUS)5402ポイント
3. ビード・ダービッジ(AUS)5258ポイント
4. ジョエル・パーキンソン(AUS)5148ポイント
5. ミック・ファニング(AUS)5085ポイント
6. エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)4550ポイント
7. ボビー・マルチネス(USA)4360ポイント
8. C.J.ホブグッド(USA)4280ポイント
9. アンディ・アイアンズ(HAW)4163ポイント
10. ジェレミー・フローレス(FRA)3997ポイント
最終結果
ケリー・スレーター(USA)18.97
タジ・バロウ(AUS)18.63
セミファイナル
ヒート1:
ケリー・スレーター(USA)15.67
ビード・ダービッジ(AUS)15.10
ヒート2:
タジ・バロウ(AUS)17.33
ジェレミー・フローレス(FRA)16.50
クォーターファイナル
ヒート1:
ビード・ダービッジ(AUS)16.90
デーン・レイノルズ(USA)14.10
ヒート2:
ケリー・スレーター(USA)17.16
ボビー・マルチネス(USA)15.16
ヒート3:
ジェレミー・フローレス(FRA)17.57
ミック・ファニング(AUS)15.67
ヒート4:
タジ・バロウ(AUS)18.50
ヘイター・アルヴェス(BRA)6.34
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