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SURFMEDIA NEWS 0905 > Alby Falzon  

更新日 2009-06-02 | 作成日 2009-01-26  

ライフ・アンド・フィルム・オブ・アルビー・ファルゾン

2009年フランスサーフフィルムフェスティバル最優秀ドキュメンタリー賞受賞作品

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アルビー・ファルゾンが72年に制作したサーフィン映画「モーニング・オブ・ジ・アース」はオーストラリアでは現在も最も有名かつ強い影響力を持つ作品として認識されている。またオージーサーフィンの精神的支えにもなっている。サーフィンをスポーツとして以上に自由の象徴と捉える人が多い証であろう。時代はヒッピーからニューエージと移行する最終期、サーファーのライフスタイルを捉え大成功を収めた不滅の名作である。

「モーニング・オブ・ジ・アース」の大成功の後、奇才ジョージ・グリノフと「クリスタル・ヴォヤージュ」を制作。エンディングを飾るピンク・フロイドの「エコーズ」全22分は全てチューブの中からグリノフが撮影したアートな大作である。80年代に入りタイランド、インド、ネパール、日本、南米と世界各地を撮影旅行しながら強い宗教的啓示を受けた。

その旅で撮影されたフィルムは後日TVシリーズ「世界の祭り」として世に出たが、国際TVフェスティバルで最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。21世紀に入るとジェフ・ホーンベイカーと「グローバス」を制作。「子供時代からキリスト教の学校で教育された。それはアグレシッブでキリストのように苦痛を自ら背負うことが美徳とされた。でも仏教と出会い180度変わった。ブッダは苦痛を取り除き静寂を教えてくれた。精神的豊かさこそ大切で経済的にリッチになる必要はない。私にとってサーフィンは精神の豊かさの源であり健康に保ってくれるある意味宗教だ。」と語る。また「やりたいことを貫くには愛がいる。愛しているからサーフィンに人生をかけられる。愛こそ最もパワフルなエネルギーだ。」と静かに語った。

フィルムはアルビーの人生を彼が制作したフィルムを通して伝える。今年66歳のアルビーだが波があれば1年中サーフィンを欠かさない。アルビーの暮らすミッドコーストのサーファー密度はかなり低く1年のうち11ヶ月は孤独のサーフィンだという。「聴こえてくるのは波の音だけで、家族の心配や物欲、面倒なこと全てをビーチに置き去り沖に出るとき、そこにあるのは静寂で禅のようだ」という。また「若いとき以上に人生の質が重要だ。この世を去るまでサーフィンを続けられているかが重要だ。」と語る。1971年世界で初めてウルワツをフィルミングして以来38年間バリへ戻り続けている。「サーフィンは肉体と精神が健康でないと続けられない」と1972年からヨガとオーガニックフードを欠かさない。現代のサーファーが追い求める理想郷と「モーニング・オブ・ジ・アース」のメッセージ“メイク・イット・シンプル”が重なるのは、昨今のエコイズムや地球温暖化を救う実践的ライフスタイルとして注目されているのであろう。アルビーを通してサーファーの幸せが見えてくる作品である。

2009年5月30日 グリーンルームフェスティバルで短縮版が上映。

 
7月1日より WWW.OZARTSURF.COM でサンプル映像が見られます。 
ユーチューブ  http://www.youtube.com/watch?v=e_PBK5rOjQ4 
 

2009年度オーストラリア作品
監督 フィル・ベーカー
時間 45分

日本リリース:2009年5月30日グリーンルームで短縮版公開。

 

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