●JPSAジャパンプロサーフィンツアー2010ショートボード最終戦
ムラサキプロ鉾田
大澤伸幸と牛越理事長 ALL photo:by:S.Yamamoto
JPSA2010グランドチャンピオンは大澤伸幸
【2010年10月3日日曜日、鉾田】茨城県鉾田市とっぷさんて下において開催されたJPSA最終戦「ムラサキプロ鉾田」において、ランキングトップだった大澤伸幸がJPSAグランドチャンピオンを獲得。湘南に19年振りに王冠をもたらした。
注目のラウンド4ヒート3で大澤伸幸は、田中英義、飛田剛、グラチャンレースのライバルである田中樹と直接対決。このヒートで大澤がクオーターに勝ち上がればグラチャンが決定という最大のクライマックスを迎えた。そして、茅ヶ崎からは大澤の家族を含め、多くの仲間が応援に駆けつけ、ビーチで彼の決定的瞬間を見守った。
「NOBU」と書かれた大きな旗がビーチにはためくなか始まったヒートは、田中英義がスタートから飛ばし、前半をリード。緊張している様子の大澤はスコアが伸びず、暫定2位で前半を折り返す。このまま2位でラウンドアップすれば、グラチャン決定だが、3位の田中樹も逆転可能な状況だった。
そして、残り時間10分を切り田中樹がライトの波にテイクオフ。波の中盤に引っかかりながらもインサイドでエアーを決めてガッツポーズ。完全に逆転だと思ったが5.25で逆転できず、残り時間は3分。そして、プレッシャーがかかる大澤伸幸は、残り時間2分でリバースを決めるなどして7.5ポイントを叩き出し見事1位通過。これで2010年度のグランドチャンピオンが決定した。ヒートが終了し、波打ち際に集まる茅ヶ崎応援団。一人一人友人達と抱き合う大澤の目には涙が溢れ出していた。
総合でチャンピオンになることよりも、一つのイベントで優勝することを考えて戦っていました
「憧れていた先輩達と同じチャンピオンになれて嬉しいです。でも優勝が出来なくて本当に悔しいです」と今シーズン、第2戦の鴨川からJPSAに参戦し、今回の最終戦の3位以外は全て2番だった大澤が言った。
湘南出身のサーファーがJPSAのグランドチャンピオンになったのは、19年前の関野聡以来のこと。大澤伸幸は、JPSAの歴史に刻まれるサーファーとなった。
「最高に嬉しいですね。聡さんは、世界を目指して頑張ってきたサーファーで、グランドチャンピオンになっていたのも知っていました。チャンピオンになれたのは、スポンサーをはじめ応援してくれた人たちのお陰だと思っています。これからも自分より経験があって上手いサーファー達に、もっともっと近付きたいと思っているので応援お願いします」とヒーローインタビューに答えた。
これまで世界を目指し、JPSAに参戦していなかった大澤伸幸が今年のグランドチャンプをかっさらって行った。「優勝出来なかったのが心残りなので、来年は絶対に優勝したいですね」と来年に向けた抱負を語る大澤。
「チャンピオンを取りたいという気持ちで始めた訳ではないんです。試合の経験を積んで、自分のスキルを上げたかった。自分よりも遥かに上手い人たちと戦えたら最高だなって思ったんです。総合でチャンピオンになることよりも、一つのイベントで優勝することを考えて戦っていましたね」
「鴨川から始まって、ずっと2番で、気が付いたらグランドチャンピオン争いとか言われる状況になっていた感じです。少し自分でも意識するようになっていましたが、最後まで試合で一番になりたいという気持ちが強かったですね。だから、チャンピオンが決定した今もその気持ちは変わりません。
世界を目指してやって行きたいというのが自分の目標なんです。世界には考えられないほど凄いサーファーがたくさんいるので、それに挑戦して行きたいですね。でも、その間にJPSAの試合にも出場させてもらいたいです」
新しい日本のチャンピオンとなった大澤伸幸。日本のサーフィン界を牽引するサーファーのひとりとして今後の活躍に期待したい。
コンテストの模様はスポーツ・カルチャー番組専門チャンネルスカイ・A sports+(スカイ・エー・スポーツ・プラス)で放映予定。ホームページではJPSAの無料動画も配信中。放映スケジュールなどはホームページをご確認ください。http://www.sky-a.co.jp/
大会に関する情報は公式ホームページもご覧ください。
http://www.jpsa.com