ＪＰＳＡショートボード第３戦で加藤嵐と水野亜彩子 がJPSA初優勝。

９月９日（金）から茨城県の大洗海岸において開催されていたＪＰＳＡ 震災復興支援チャリティーツアー2011ショートボード第３戦、第１６回 Ｉ.Ｓ.Ｕ茨城サーフィンクラシック・ＧＯＴＣＨＡ・Ｇ-ＬＡＮＤカップが終了。加藤嵐と水野亜彩子がJPSA初優勝を決めた。

イベントを通して、スモールコンディションでの開催となった今大会。最終日はコシ前後ながらコンパクトでパワフルなブレイクを最大限に利用して、コンテストはクライマックスを迎えた。今回は例年の7割程度のエントリー数となったが、若手の台頭が目を引き、プロ本戦前に行われたプロトライアルから岩淵優太、山口輝行、粂浩平、増山裕亮、そして女子では高間木希、浅田佳苗、松下智香子、村松爽香、山岸千奈美、井口真希子が見事プロ公認資格を獲得。

また、今大会地元からエントリーの小野嘉夫、石崎孝行、飛田剛、関根健生、そしてトライアルから勝ち上がった岩淵優太、さらに女子の熊倉梨絵が出場するヒートには、会場から熱い声援が送られた。中でも今回プロ資格を得たばかりの岩淵はラウンド3まで勝ち上がる大健闘。またトリッキーな技を得意とする飛田剛は、地元の声援を味方につけ、大洗の波を知り尽くしたウェイブセレクションと、持ち前のエアマニューバーでセミファイナルまで勝ち上がった。しかし、絶好調の加藤嵐と対戦したセミでは、前半リードを奪ったものの、終盤に加藤に同点に追いつかれ、カウントバックによる悔しい敗退となった。

ファイナルは、セミファイナルで、波とリズムが全く合わなかった田中樹を下した椎葉順と、ASPジャパンのジュニアで2連勝中の加藤嵐の対決となった。椎葉順は、開幕戦の伊豆で3位入賞を果たした、昨年度のイベントチャンピオン。椎葉もエア系のマニューバーを得意とする選手で、コンパクトながら成功率の高いエアリバースを今大会でも何度も成功させていた。

ハイタイドの大洗海岸は、クライマックスに向かうにつれて、次第に波数が減少。ふたりはじっくりとスコアリング・ウェイブを待った。ファーストウェイブから得意のエアリバースを仕掛けた椎葉は後ろ足が外れ惜しくもインコンプリート。加藤嵐のコーチである田中兄弟の指示でウェイティング・ポジションを左側に移し、レフトに絞る加藤はじっくりと波を待つ。正面で波を捉える椎葉は縦横無尽に波を切り刻むもスコアが伸びない。加藤は左からシフトして入ってくるレフトでバックハンドのターンを繰り返し、スコアを重ね、3.25、5.00をスコア。ヒートスコア8.25で椎葉順を下し、JPSA初優勝にして連勝記録を3に塗り替えた。

女子のファイナルは、ベテランの田原啓江と庵原美穂を破った、17歳ペアの対決となった。村松爽香は今回プロ資格を獲得したばかりの選手で、今年のISA世界ジュニア日本代表選手となり、８月千葉で行われたASPのオークリープロジュニアでもセミファイナルまで勝ち上がり頭角を現している選手。一方、水野 亜彩子は、生粋の湘南育ちのコンペティター。15歳にしてプロデビューを果たし、JPSAルーキーオブザイヤーを獲得。アマチュアだった村松とは今年のISA世界ジュニア日本代表選手としてペルーで戦った仲である。

そんな二人のファイナルは、ヒートスタート直後から白熱したヒートが展開された。グーフィーの水野は左側のピーキーなレフトをキャッチし、大きくスプレーを上げるカーヴィングターンで3.50をマーク。対する村松は、ライトの波をフォアハンドのレールワークで4.00をスコアし互角の戦いを演じた。そして中盤に入り、水野がセットのライトを掴み、深いボトムターンから縦に上がるバックハンドのリエントリーを見せ、ファイナルのベストスコアとなる6.75をマークし大逆転。ファイナルを最後まで諦めず、追い上げる村松の追撃を振り切り、水野がJPSA初ファイナルで嬉しい初優勝を決めた。

また、震災で被災された大洗エリア復興支援で行われた今回のイベントには、協会をはじめ町や茨城サーフィンユニオンなど地域が一丸となって、このイベントをバックアップ。特別協賛の株式会社ピートからは優勝者に優勝賞金の他に男子に50万円、女子に20万円が贈られた。更にISUエクスプレッション・セッションでは茨城サーフィンユニオンからベスト・パフォーマーとなった田中英義に賞金10万円、グッド・パフォーマーとなった中村昭太に5万円が贈られた。


結果：優勝：加藤嵐、2位：椎葉順、3位：田中樹、飛田剛
女子優勝：水野 亜彩子，2位：村松爽香、3位：田原啓江、庵原美穂，


大会に関する情報はJPSA公式ホームページをご覧ください。
http://www.jpsa.com