ファニング、パーコ、スーザはベスト16に残り、ケリーはタイトル争いから脱落する。
ASP MEN'S WORLD TOUR第9戦 リップ・カール・プロ・サーチ
■2009年10月19-30日 ペニシェ、ポルトガル
写真:オーウェン・ライト(AUS)(C) ASP/ CI/ CESTARI via GETTY IMAGES
【現地時間2009年10月25日日曜日 ベルガ、ペニシェ/ポルトガル】
2009年のASPワールド・ツアー第9戦の「リップ・カール・プロ・サーチ」は、セカンド・バックアップサイトであるベルガスでラウンド2までが終了。ベスト16の選手が出揃った。
コンテストは、現地の金曜日にラギドのクリーンな4−5フィートのレフトハンダーでラウンド1の残りの8ヒートを消化。そして、土曜日に本日と同じベルガスの3~4フィートのコンディションでラウンド2の13ヒートを行い、今日残りの3ヒートだけを行った。
2009年のASPワールドツアーもいよいよ大詰め。そんな中で、リップ・カール・プロ・サーチのワイルドカード、オーウェン・ライト(AUS)は、前人未到の10度目のワールド・チャンピオンを目指すケリー・スレーター(USA)をラウンド2で破る番狂わせを引き起こした。ライトは今年4月のベルズでもスレーターを破っている。
そのヒートは極めてタイトな戦いが繰り広げられ、フォアハンドとバックハンドの強烈なスコアでヒートを開始したスレーター。それに対して、ライトは根気よく良い波を待った。
プログレッシブ・フォアハンドを武器にするライトは、パンチのきいたレフトハンダーにおいてスレッディング・バレルとエアリバースでチャンピオンを射程距離内に収め、残り時間も僅かになったところで、長いレフト・バレルをメイク。7.73をスコアして、大逆転で勝利を決めた。
「最高の気分だよ。あまり波がない本当にタフなヒートだった」とライトが言った。「ケリー(スレーター)は先手を打ってきて早くから仕掛けてきた。だから、僕はじっくり大きくて良い波を待ったんだ。ツアーでのケリーのヒートは毎回見ている。そんな彼と同じヒートで、良い試合が出来て最高だったよ」
ライトはメジャー・スポンサーであるリップ・カールとの更なる5年契約を交わし、素晴らしいシーズンとなった。ASPオーストラレーシアのジュニア・シリーズで負け知らずのライトは、WQSシリーズでも現在No.3スポットを手に入れ、2010年のASPワールド・ツアーでポジションを固めている。
「かなり素晴らしい年になったね」とライトが言った。「1月にスタートしたときはジュニア・シリーズに集中して、WQSのシードを上げようと思っていたんだ。でもWQSの最初の数イベントが終わると、僕はトップの近くにいた。それで、この1年の計画を練り直したんだ。来シーズンのワールドツアーの資格を得た今は、自分のサーフィンを向上させ、多くの経験をすることだけに集中しているよ。」
そんなライトに破れたスレーター。今シーズン4回目の17位タイとなった。そして、今回の敗退により、2009年にスレーターが前人未到の10度目のASPワールド・タイトルを獲得するチャンスは事実上、消えた。しかし、そんな状況にも関わらず、彼は既にファイナルイベントのパイプラインに向け闘志を燃やしている。
「今年のドリーム・ツアーは悪夢だった」とスレーターが言った。「勝負はどちらかが勝ち、一方の選手は負ける。自分はタイトル・レースから外れた。パイプで勝てたら最高だよ。おそらくアンディ(アイアンズ)との、ちょっとしたバトルになる。楽しみだよ」
2009年のASPワールド・タイトル・レースからケリー・スレーターが脱落した一方で、タイトル争いをする選手が全てベスト16に勝ち残ったため、ハワイのパイプラインで開催されるシーズン最終戦で全てが決定する事となった。 仮に、現在トップのミック・ファニングがここで優勝しても、ランキング2位のパーキンソンの9位以上が確定しているために世界チャンピオンは決まらない。
現在のASPワールドNo.2のジョエル・パーキンソン(AUS)は、ジェフリーズ・ベイで7月に優勝して以来、3試合連続17位タイという結果を強いられ、それまで独走態勢だったトップの座をファニングに譲り渡した。
その不調はヒザの怪我によるものだと噂が広がったが、パーキンソンはそれを否定した。「状態は100%さ」とパーキンソンが言った。「世界タイトル争いに踊らされず、自分のヒートの事だけを考えているよ。今シーズンは、数回の優勝を手に入れ、切り捨てる必要がある結果もある。そして、あといくつかのキーパーが必要でなんだ。バブルの中に消えて行った何人かの選手が居た。友達がいなくなる事はとても悲しいことで、戦場の兵隊のようだよ。でも、それがツアーにニューフェイスを運んできてくれるんだと思う」
そして、現在のレイティング・トップであるミック・ファニング(AUS)は、パトリック・グダウスカス(USA)とクロスヒートを勝ち上がった。「パット(グダウスカス)が優勢で、 パットがプライオリティーを持っているときに、あの波を手に入れることが出来て、ラッキーだったよ」とファニングが言った。
「コンディションは本当にファンだった。ヨーロッパでは本当に厳しい波を強いられていた。特に前回のイベントとか。だから、今日はみんな最高だったと思うよ。全ての選手が如何なるコンディションでも凄いパフォーマンスをするけど、今日のような素晴しいクリーンなコンディションは最高だからね」
リップ・カール・プロ・サーチ:ラウンド3
ヒート1:C.J.ホブグッド(USA)対ジョディ・スミス(ZAF)
ヒート2:トム・ホイッティカー(AUS)対ビード・ダービッジ(AUS)
ヒート3:ボビー・マルチネス(USA)対ドリュー・コートニー(AUS)
ヒート4:カイ・オットン(AUS)対ジョエル・パーキンソン(AUS)
ヒート5:オーウェン・ライト(AUS)対デーン・レイノルズ(USA)
ヒート6:タジ・バロウ(AUS)対ダミアン・ホブグッド(USA)
ヒート7:ミック・ファニング(AUS)対フレデリック・パターチア(HAW)
ヒート8:エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)対ティム・レイズ(USA)
現在のASPワールド・ツアー・トップ10
1、ミック・ファニング(AUS)が、6350ポイント
2、ジョエル・パーキンソン(AUS)6306ポイント
3、エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)5773ポイント
4、C.Jホブグッド(USA)5748ポイント
5、ビード・ダービッジ(AUS)5524ポイント
6、ケリー・スレーター(USA)5514ポイント
7、タジ・バロウ(AUS)5149ポイント
8、ボビー・マルチネス(USA)4914ポイント
9、テイラー・ノックス(USA)4816ポイント
10、ダミアン・ホブグッド(USA)4794ポイント