ファニング、リップ・カール・プロ・サーチ優勝。
ASPタイトル・レースのリードを固める
ASP MEN'S WORLD TOUR第9戦 リップ・カール・プロ・サーチ
■2009年10月19-30日 ペニシェ、ポルトガル
写真:ミック・ファニング(AUS)(C) ASP/ CI/ SCHOLTZ via GETTY IMAGES
【現地時間2009年10月28日水曜日 スペルトゥーボス、ペニシェ/ポルトガル】
2007年のASPワールド・チャンピオンで、現在のASPワールドNo.1のミック・ファニング(AUS)は、ポルトガルのスペルトゥーボスで行われたファイナルで、ビード・ダービッジ(AUS)を破り、2009年のリップ・カール・プロ・サーチで優勝。そして、2009年のASPワールド・タイトルレースでのリードを固めた。
2009年のASPワールド・ツアー全10戦中の第9戦「リップ・カール・プロ・サーチ」は、2フィートのライトハンド・ウェッジのモルヘ・レステから、4フィートのオフショア・レフトハンダーのラギド、パンチのきいた4フィートピークのベルガ、そして昨日の命知らずの6~8フィート・バレルのスペルトゥーボスまで。コンペティションの劇的な終結を完了させるまでに、様々な会場とコンディションで行われた。
リユニオン島で2005年に行われた第一回のリップ・カール・プロ・サーチで優勝したファニングは、昨日のビッグバレルでも素晴しいパフォーマンスを披露していたが、今日のサイズダウンしたコンディションにも上手く対応。ダービッジとのファイナルは完全に彼のペースだった。
コンディションが悪化するなか、ファニングは、彼のフォアハンドでパンチのきいたパフォーマンスを見せ、 強烈な6.67と6.00のスコアを手に入れた。「昨日は、これまでのコンペティションのベストデイの1つだった。だが今日のコンディションは、サイズとクオリティがドロップしていたから、考え方や対処する方法を調整しなければならなかった」とファニングが言った。
「今年の夏の間ずっと、ホームでこのようなコンディションでサーフしていた。だから、 何をやるべきか分かっていたのさ。スタートからいくつかの良いスコアを手に入れて、それから基本的にビードを抑えたんだ。それで彼は僕を逆転出来なかった」
ファニングは、リップ・カール・プロ・サーチのフィッティング・チャンピオンだった。そして、冷静に変化する会場とコンディションをナビゲートした。「サーチは、その名前通りに至る所で波を捜した」とファニングが言った。「我々はこのイベントで4つの異なる波でサーフした。そして、昨日も別の場所でサーフィンをしたかったけど、我々はここでコンテストを開催。結果、今年一番のコンディションになったんだ。リップ・カールと、一週間ずっと移動していたタフな仕事をしてくれた全てのスタッフに感謝する。信じられない努力があったと思うんだ」
リップ・カール・プロ・サーチが終了し、2009年のASPワールド・タイトルレースに残っている選手は10人から2人に絞られ、今年のファイナル・イベントであるバンザイ・パイプラインで全てが決定することになった。「パイプラインでASPワールド・タイトルを争うことは、子供のように、いつも夢みるもの」とファニング。「最高にワクワクするよ。家に帰って、2週間はくつろいでパイプの準備をするつもりだよ。うまくいけば、ここのようなビッグ・バレルをまた手に入れることが出来るかもしれない。そして、我々は本当の最終対決をする」
現在、シーズンのファイナル・イベントにASPワールドNo.4として入るダービッジは、リップ・カール・プロ・サーチを通した素晴しいパフォーマーだった。そして彼は、今日のコンディションをオーストラリアのゴールドコーストにあるノース・ストラドブローク・アイランドの彼のホーム・ブレークに例えて言った。
大柄なダービッジは、今日のセミファイナルで、みごとな大逆転勝利を手に入れファイナル進出を決めたが、ファニングを止める事は出来なかった。「確かにイベントのトップ選手は、トップ4だった」とダービッジが言った。「 オーウェン(ライト)がセミファイナルに出れなかったのは不運だったね。ミック(ファニング)はこの8週間、信じられないフォームだったよ。彼は燃えている。ジョエル(パーキンソン)が昨日スコアした 10は素晴らしかった。そして、今朝の我々のヒートでは、彼に終わりまで追い詰められていた」
フランスから今シーズン2度目の準優勝となったダービッジ。今シーズン、タフなスタートを強いられていた彼にとって、この後半の勢いは喜ばしい変化といえよう。ビラボン・パイプライン・マスターとなった2007年にトリプルクラウンも獲得したダービッジは、ハワイでこの1年を締めくくる最高のフィニッシュを狙っている。
「2番目は最高だけど、優勝はしたいものだね」とダービッジが言った。「ちょっとがっかりしている。でも自分には素晴しいイベントで、いくつかのビッグなヒートに勝てて、かなり自信が持てたよ。ハワイは大好きさ。今シーズンはまだ優勝していないから、ファイナル・イベントで手に入れたいね」
ワイルドカードでエントリーして、素晴しい活躍をしてセミファイナルまで勝ち上がった19歳のオーウェン・ライト(AUS)。しかし、昨日のダミアン・ホブグッド(USA)とのクオーターで壮絶なワイプアウトをして、鼓膜を破り首まで痛めてしまった。
「昨晩、怪我をチェックした。骨や組織の損傷はないんだ」とライトが言った。「ただ首、肩、ひざ、耳が落ち着かない感じ。テストをして、首の動きが良くないので試合は辞めることにしたんだ。でも大丈夫。固定しているからね。ちょっとリラックスする時間が必要みたい。でもハワイは行きたいし、うまく行けばバレルもメイク出来る。大好きな場所だから、良いシーズンを送りたいよ。セミファイナルを辞退したのは確かに残念だったけど、ミックが優勝するのを見れて最高だったよ。ポルトガルでの自分のサーフィンは満足だよ。最高に良い経験だったし、来年のワールドツアーに向けて凄く自信が持てた」
2009年のツアー・シーズンにおいて最高のスタートを切ったパーキンソンだったが、カリフォルニア、フランス、スペインの3試合連続17位でトップから滑り落ちた。「少し残念だけど、全体的にはハッピーかな」とパーキンソンが言った。「3位で、タイトル争いの中にいられるからね。でも自分自身にちょっと失望しているよ。ヒートの流れを変える失敗を侵してしまったんだ」
今回の試合結果により、2009年の世界タイトルレースはファニングとパーキンソンの一騎打ちとなり、ファイナル・イベントのビラボン・パイプライン・マスターズで決着が付くことになる。2009年のASPワールド・タイトルのためのシナリオは、以下の通りである:
ファニングがパイプラインで33位から9位まででフィニッシュした場合、パーキンソンはファニングを追い越すためには3位以上が必要。ファニングが5位ならば、パーキンソンは2位以上。ファニングが3位ならば、パーキンソンは優勝。ファニングが2位もしくは優勝ならば、彼が2009年のASPワールド・タイトルが決定する。
リップ・カール・プロ・サーチのメンズは本日、ファイナルデイとなったが、10月30日までのウエイティング期間で行われるリップ・カール・ウイメンズ・プロ・サーチは本日よりスタート。ラウンド1が終了している。
優勝:ミック・ファニング(AUS)12.67
2位:ビード・ダービッジ(AUS)9.87
リップ・カール・プロ・サーチ・セミファイナル:
SF 1:ビード・ダービッジ(AUS)14.60 ジョエル・パーキンソン(AUS)13.27
SF 2:オーウェン・ライト(AUS)対ミック・ファニング(AUS)
ライトが怪我のため棄権しファニングの不戦勝
現在のASPワールド・ツアー・トップ10
1、ミック・ファニング(AUS)7140ポイント
2、ジョエル・パーキンソン(AUS)6772ポイント
3、エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)6148ポイント
4、ビード・ダービッジ(AUS)6146ポイント
5、C.Jホブグッド(USA)5748ポイント
6、タジ・バロウ(AUS)5524ポイント
7、ケリー・スレーター(USA)5514ポイント
8、ボビー・マルチネス(USA)5421ポイント
9、ダミアン・ホブグッド(USA)5116ポイント
10、ジョディ・スミス(ZAF)4828ポイント