2011年12月8日-20日 バンザイ・パイプライン、ハワイ、USA
キーレン・ペロー(AUS)がビラボン・パイプ・マスターズ優勝。ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がトリプルクラウン獲得。(12/11)
Kieren Perrow (AUS), 2011 Billabong Pipe Masters Champion.
Photo: Kirstin/ASP
Tweet
【バンザイ・パイプライン、オアフ/ハワイ(2011年12月10日土曜日)】VANSトリプルクラウン最終戦であるASPワールド・タイトル・イベント最終戦「ビラボン・パイプ・マスターズ in Memory of Andy Irons」が終了。4~6フィートのコンディションで行われたファイナルで、キーレン・ペロー(AUS)が、ジョエル・パーキンソン(AUS)を下し、初のASPワールド・ツアー・イベント優勝。ビラボン・パイプ・マスターズの王冠を手に入れた。また、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、2011年のバンズ・トリプルクラウンを獲得した。
キーレン・ペロー(AUS)が昨年の屈辱を晴らし優勝。
キーレン・ペロー(AUS)
昨年のビラボン・パイプ・マスターズで、ジェレミー・フローレス(FRA)に次いで2位でフィニッシュしたペローは、今年再びそのフォームを見せ、巨大なパイプライン・コンディションで行われた2日間のコンペティションにおいて、2012年のASPワールド・ツアーのポジションを固めるためにチャージを繰り返していた。
これまでの2日間より、明らかにスモールなコンディションのファイナルデイ。ペローは、バックドアシュートアウトとなったファイナルでパーキンソンを抑え、初のASPワールドツアー勝利を手に入れた。「昨年のジェレミーに次ぐ2位を乗り越える気持ちが、今日まで僕の後ろ盾になっていました。」と、ペローが言った。「表彰台に再び戻って来れて嬉しいです。僕はイベントを通して、とても心地良く感じていました。とにかく、このような素晴らしいイベントで今日まで勝ち上がれた、それだけで驚きでした。波は驚異的でした。僕はこれまで、このようなパイプでサーフィンしたことはないです。これは自分にとって頂点です。」
惜しくも2位となったパーキンソン。
これまで何度もバンズ・トリプルクラウンを勝ち取って来たパーキンソンは、初のビラボン・パイプ・マスターズ・タイトル獲得目前だったが、ペローとのファイナルでリズムを見つけることができなかった。「負けたのは悔しいよ。勝たなくてはならなかった最後のサーファーだったからね。多くを克服してきたのに、ファイナルが最もハードだった。」と、パーキンソンが言った。「キーレン(ペロー)より相応しい選手は他に考えられなかった。彼は本物のパイプ・マスターだよ。彼はパイプラインのベストサーファーの1人だ。そして、僕は彼が優勝して嬉しいよ。」
パーキンソンは、セミファイナルでケリー・スレーター(USA)との熾烈な戦いを制しファイナルへと勝ち上がった。スレーターとの激しいバトルの末、残り時間5分を切って彼に必要なスコアは8.21。そして、パーキンソンはパイプラインのバレルに姿を消し、クローズアウト寸前の波のカーテンをくぐり抜けて8.60をスコア。大逆転に成功した。
「この仕事に僕は適していると思うんだ。」と、パーキンソンが言った。「ケリー(スレーター)に対するサーフィンは、自分ができる最大のもの。彼があの9を手に入れたあと、『ほら始まるぞ』って思ったね。彼はジョン・ジョンとのセミでピークに達したと思っていたけど、彼は再び来た。あの波が自分のところへ来た。ポジションが正しいのか、全て上手く出来ているかなんて、他のすべてを忘れるようなシチュエーションだった。コンディションはまったくパーフェクトではなかったけど、いくつかの本当に良い波があったよ。」
やはり今日のハイライトはケリー・スレーターのヒートだった。
ケリー・スレーターは、大注目のヒートとなった、パイプライン・ローカルのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)とのクオーターファイナルで、信じられないような終了間際の大逆転劇を演じた。16.70のコンビネーションに追い込まれていたスレーターは残り時間3分、全く焦りを見せずディープなバレルを次々とメイクして9.70と7.83を連続でスコア。完全にジョン・ジョンのペースだったヒートを一瞬にしてひっくり返した。
「楽しもうとしていただけ。今日の波ではやりたくなかったからね。別の日に開催すると思ったよ。」と、スレーターが言った。「僕は短い板を選んだんだ。でも最初の良いレフトに乗った時に気付いた。この選択は間違っていたとね。僕はこのヒートは負けると思っていたよ。最後の4分ぐらいであの波が来た。僕はジョン・ジョンをを追い詰めて逃げられなくしようとしていたんだ。彼はこの先20年のパイプを支配する。彼は2本満点と9ポイントをいくつも出していたんだよ。」
セミファイナルでは、パーキンソンとの激しいバトルを演じたが、そこでは逆に大逆転され破れた。「ジョエルは、最初から7ポイントでスタートし、ヒートを支配した」と、スレーターが言った。「彼は、そこからポジションを保持していた。彼がレフトで2本の良いスコアを手に入れたことに凄く驚いたよ。通常なら我々は今日のような日にはバックドアを狙っているからね。彼は完全にリズムを掴んでいたね。あの状況で出来る事はほとんどないよ。」
ジョン・ジョン・フローレンスがトリプルクラウンを獲得
トリプルクラウンを獲得するには、ビラボン・パイプ・マスターズでファイナルまで勝ち上がる必要があったミシェル・ボウレズ(PYF)。しかし彼はセミファイナルで破れ、ジョン・ジョンのトリプルクラウンが決定した。ジョン・ジョン・フローレンスは今年のビラボン・パイプ・マスターズで素晴らしいショーを見せ、2本の完璧な10ポイント・ライドまでスコアしたが、クオーターファイナルでスレーターに破れた。
サンセットで優勝し、ハレイワで5位、パイプラインでも5位になったになったジョン・ジョンは、トリプルクラウンを手に入れた史上最年少のコンペティターとなった。「この場所にいられて本当に最高です。僕はハワイの波でずっとサーフィンして、そして長年の間、みんなを見てきました。」と、フローレンスが言った。「そして、これまでの優勝者の人たちのリストに僕の名前が加えられて本当に嬉しいです。僕のお母さん、パンチョ・サリヴァン、ジョン・パイズール、そして僕のすべてのスポンサーに感謝します。みなさん、ありがとうございます。」
ジョン・ジョン・フローレンス
今回の「ビラボン・パイプ・マスターズ in Memory of Andy Irons」は昨年に引き続き、日本語放送が決定。そして、ジャパン・ライブのメインキャストには、甘いルックスと英語・日本語を巧みに使い日本のファンも多い、ハワイ在住のプロサーファー、ニック・ミタと、2008年・日本ツアーを完全制覇しグランドチャンピオンを獲得し、現在、拠点をハワイへ移し世界を目指す、日本のトップアスリート・田嶋鉄兵が担当する。 また、昨年に続き、解説者には、パイプライン・スペシャリストの脇田貴之をゲストに迎える事も決定した。
ビラボン・パイプ・マスターズ最終結果:
優勝:キーレン・ペロー(AUS)13.17
2位:ジョエル・パーキンソン(AUS)7.00
ビラボン・パイプ・マスターズ・セミファイナル結果:
SF 1:ジョエル・パーキンソン(AUS)17.23 def.ケリー・スレーター(USA)16.83
SF 2:キーレン・ペロー(AUS)12.00 def.。ミシェル・ボウレズ(PYF)4.07
ビラボン・パイプ・マスターズ・クオーターファイナル結果:
QF 1:ジョエル・パーキンソン(AUS)12.00 def.。ジェイミ・オブライアン(HAW)9.43
QF 2:ケリー・スレーター(USA)17.53 def.。ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)16.70
QF 3:ミシェル・ボウレズ(PYF)7.70 def.。エヴァン・バリエール(HAW)3.66
QF 4:キーレン・ペロー(AUS)17.23 def.。ガブリエル・メディーナ(BRA)9.26