ケリーがパーフェクト10。ステファニー・ギルモアが女子のトリプルクラウン獲得(12/16)

Above: Slater Pipeline Perfect. Photo: Cestari

【パイプライン、オアフ/ハワイ（2010年12月15日水曜日）】コンディション不良のため，スタートしてから約一週間，延期を強いられていた「バンズ・トリプルクラウン・オブ・サーフィン presented by ロックスター・エナジー・ドリンク」の第3戦であるASPメンズ・ワールド・ツアー最終戦「ビラボン・パイプ・マスターズ」が、クリーンな4～6フィート（2メートル）のバックドア・バレルで再開。男子はラウンド3からラウンド5までが行われ，女子は今年初めてパイプラインで開催される事となった、4名で行われるバトル・ロワイヤル「バンズ・デュエル・フォー・ザ・ジュエル」が行われた。

10度のASPワールド・チャンピオンであるケリー・スレーター（USA）は、ラウンド4でイベント唯一のパーフェクト10をバックドア・バレルでスコア。ダイレクトにクォーターファイナルへ勝ち上がった。「セットが入ってくると本当に良い波なんだ」とスレーターが言った。「1本か2本ぐらいしかセットは来ないんだけど，本当に良い波なんだよ。あの満点の波は長い波だった。良い感じでノース・コーナーがあって、どんどん長くなっていった。あの波は上手くリーフにヒットしていたよ」

今年10回目のASPワールド・タイトルをプエルトリコで獲得した、6度のビラボン・パイプ・マスターズ・チャンピオンであるスレーターは、今年の最終イベントをより気楽にアプローチしている。「この時点で，最高の一年だったし，ハッピーなんだ。このヒートを勝ち上がれて本当に嬉しいけど，勝てなくても今の自分にとって楽しいイベントなんだ。できれば良い波でやりたいね」スレーターはクオーターでエイドリアン・バカン（AUS）と戦う。

バカンは、フォアハンドとバックハンドの両方で素晴しいバレルをメイクし、クォーターファイナルへ勝ち上がった。彼は現時点で、名声あるハワイアン・シリーズ・タイトルを狙う、バンズ・トリプルクラウン・リーダーのジョエル・パーキンソン（AUS）を逆転できる唯一人のサーファーである。

「トリプルクラウンに勝ちたい」と、バカンが言った。「それは僕にとって巨大過ぎるタイトルだよ。そこまでに，やらなくてはならない事が山ほどある。チャンスだね。必要なのはそれだけだよ」バカンは、2010年のバンズ・トリプルクラウン獲得するために、ビラボン・パイプ・マスターズで優勝しなくてはならない。

Above: Gilmore (L) & Wright (R), Ladies of the Vans Triple Crown of Surfing. Photo: Kirstin.

歴史上初めて、バンズ・ウイメンズ・トリプルクラウンがパイプラインで終了。4度のASPウイメンズ・ワールド・チャンピオンのステファニー・ギルモア（AUS）、ハワイアン・パワーハウスのココ・ホー（HAW）、2011年のASPウイメンズ・ワールド・ツアーへクオリファイした16歳のタイラー・ライト（AUS）、アラナ・ブランチャード（HAW）の4名はクラシックなパイプライン・コンディションで戦い抜いた。そして、ギルモアは，バックドア・パイプラインで優勝する事により，3度目のトリプルクラウン・タイトルを獲得した。

「それはハリウッド・カインドの夢のようね」とギルモアが言った。「サンセットの試合から、このヒートまでの間が長かったので，緊張がどんどん高まっていたわ。最初の波でボトムにヒットしたのよ。私が乗った波は，メイクしたあの一本を除いて，ほとんどボトムにヒットしたの。でも、それがバックドアからのクールな、ちょっとした思い出になったわ。

バンズに感謝したいですね。彼等のお陰で私たちはトリプルクラウンを戦う事が出来たのだから。ワールド・タイトルも獲得出来て本当に最高ですよ。トリプルクラウンのコンテストが開催される場所は，それぞれ全く異なった波で本当に難しい。だから再びここで勝つことが出来て，本当に嬉しいです。自分の残した結果を誇りに感じています」

今日のビラボン・パイプ・マスターズは、2011年のASPドリーム・ツアーへクオリファイする最後のチャンスだった。マウイのダスティー・ペイン（HAW）は、2011年のASPワールド・ツアーにリクオリファイするため、パーフェクトに近いヒートを戦い、2度のASPワールド・チャンピオンであるミック・ファニング（AUS）を大逆転で破る、大番狂わせ引き起こした。

ファニングを逆転するために17.94のコンビネーションが必要だったペインは、バックドア・パイプラインのローカルナレッジを見事に利用し、2本の驚異的なバレルをメイク。終了間際にスコアした9と9.87は本日のベストスコアとなり，世界チャンピオンを下すのと同時に，2011年のASPワールド・ツアーにおける彼のポジションを決めた。

「ミックは世界のどこに居ても当たりたくない選手だよ」とペインが言った。「厳しいヒートなのは分かっていたし，このヒートを勝たなくてはならないのも分かっていた。アウトで考えていたんだ。こんな風に負けるのか。自分のスポット獲得にコンボなのかってね。そのあと9ポイントをゲットしたんだ。

それから残り時間20秒でもう1本来た。でもその波をメイクしなければならないのが分かっていたから，凄く弱気だったんだ。かなり感情的になっていて，もうツアーから離れるんだって考えていた。そうしたら最後の波が見えて、その波で9点台をスコア出来たんだよ」しかしペインは、惜しくも次のラウンドでツアー・ベテランのキーレン・ペロー（AUS）に敗れ，イベントから姿を消した。

また，オーウェン・ライト（AUS）は、ラウンド3でジョエル・パーキンソン（AUS）を、ラウンド4ではタジ・バロウをラウンド5へ追いやり，今シーズンのASPルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

予報によれば，明日もグッド・コンディションが続き，午前8時に男子のクォーター・ファイナルでスタートする見込み。ビラボン・パイプ・マスターズも大詰め。今年のパイプライン・マスターとなるのは誰か？　トリプルクラウンは誰が獲得するのか。


ビラボン・パイプ・マスターズ：ラウンド3
ヒート1：タジ・バロウ（AUS）15.00 def.マット・ウィルキンソン（AUS）8.33
ヒート2：オーウェン・ライト（AUS）7.40 def.ジョエル・パーキンソン（AUS）7.40
ヒート3：ビード・ダービッジ（AUS）11.33 def.アダム・メリング（AUS）3.27
ヒート4：エイドリアン・バカン（AUS）11.66 def.フレッド・パターチア（HAW）11.50
ヒート5：ジェレミー・フローレス（FRA）17.10 def.C.J.ホブグッド（USA）14.00
ヒート6：ケリー・スレーター（USA）16.90 def.ジョン・フローレンス（HAW）14.23
ヒート7：キーレン・ペロー（AUS）17.10 def.エイドリアーノ・デ・スザ（BRA）12.87
ヒート8：ダミアン・ホブグッド（USA）12.50 def.ジャドソン・アンドレ（BRA）9.10
ヒート9：ジョディ・スミス（ZAF）10.93 def.デビッド・ワッセル（HAW）10.66
ヒート10：デーン・レイノルズ（USA）13.43 def.パトリック・グダスカス（USA）11.66
ヒート11：テイラー・ノックス（USA）14.66 def.ミシェル・ボウレズ（PYF）14.34
ヒート12：ダスティー・ペイン（HAW）18.87 def.ミック・ファニング（AUS）17.94

ビラボン・パイプ・マスターズ：ラウンド4
ヒート1：オーウェン・ライト（AUS）13.66、タジ・バロウ（AUS）10.40、ビード・ダービッジ（AUS）4.97
ヒート2：ケリー・スレーター（USA）14.17、エイドリアン・バカン（AUS）10.23、ジェレミー・フローレス（FRA）8.17
ヒート3：ジョディ・スミス（ZAF）16.27、キーレン・ペロー（AUS）15.03、ダミアン・ホブグッド（USA）6.67
ヒート4：テイラー・ノックス（USA）12.33、デーン・レイノルズ（USA）11.54、ダスティー・ペイン（HAW）6.60

ビラボン・パイプ・マスターズ・ラウンド5結果：
ヒート1：ジェレミー・フローレス（FRA）16.30 タジ・バロウ（AUS）11.60
ヒート2：エイドリアン・バカン（AUS）16.34 ビード・ダービッジ（AUS）9.43
ヒート3：キーレン・ペロー（AUS）17.90 ダスティー・ペイン（HAW）17.67
ヒート4：デーン・レイノルズ（USA）11.23 ダミアン・ホブグッド（USA）10.84

ビラボン・パイプ・マスターズ・クォーターファイナル：
QF 1：オーウェン・ライト（AUS）対ジェレミー・フローレス（FRA）
QF 2：ケリー・スレーター（USA）対エイドリアン・バカン（AUS）
QF 3：ジョディ・スミス（ZAF）対キーレン・ペロー（AUS）
QF 4：テイラー・ノックス（USA）対デーン・レイノルズ（USA）

バンズ・デュエル・フォー・ザ・ジュエル：
1、ステファニー・ギルモア（AUS）14.50
2、タイラー・ライト（AUS）7.50
3、ココ・ホー（HAW）6.86
4、アラナ・ブランチャード（HAW）1.50

※詳細はASPジャパンサイトでもご覧になれます。