2011年8月1~7日 ハンティントンビーチ、カリフォルニア
ケリー・スレーターとサリー・フィッツギボンズが、ナイキUSオープンで優勝(8/8)
10-Time ASP World Champion Kelly Slater (USA), winner of the Nike US Open of Surfing. Credit:ASP / ROWLAND
【ハンティントン・ビーチ、カリフォルニア/USA(2011年8月7日日曜日)】8月1日から7日の日程で、カリフォルニアのハンティントンビーチで開催されていた世界最大のアクション・スポーツ・フェスティバル「ナイキUSオープン・オブ・サーフィン」。今シーズンは、ASPトップ34ローテーション目前の境界線上に貴重なポイントが与えられるASP男子プライム・イベントを全面にフィーチャー。女子は2011年のASPワールド・タイトル・ツアーのファイナル・イベントが開催。また男女のプロジュニアも開催された。
ハンティントンビーチ・ピアの南側に14エーカーの長く伸びたビーチに50万人以上を動員したナイキUSオープンは、サーフ、スケート、BMX、音楽、ファッション、アートを演出。そんな大興奮のアリーナと化したハンティントンビーチで、10タイムASPワールド・チャンピオンのケリー・スレーター(USA)がヤディン・ニコル(AUS)をファイナルで下し優勝。また、ASPウイメンズ・ワールド・タイトル・シリーズ最終戦の「ナイキUSオープン・オブ・サーフィン」では、サリー・フィッツギボンズ(AUS)が優勝した。
ファイナルはスレーターのワンサイドゲーム
ファイナルでスレーターは、スタートからフロントサイドのエア・リバースを決め、8.50をスコア。バックアップも7.77を揃え、いきなりニコルをコンビネーション-シチュエーションに追い込み、ファイナル・ヒートを完全にコントロール。アメリカのスーパースターであるスレーターが、USオープンで優勝したのは1996年以来のこととなる。
「ヤディン(ニコル)は全く波に乗らず、僕に勝って欲しかったのかも知れないね。」と、スレーターは言った。「彼は残念だったね。ビッグセットで逆転を狙っていたと思うけど,ビッグセットはクローズアウトだった。彼は小さい波を2本乗っただけ。それで僕が優勝した感じだよ。スタートから僕が8.50を出したから,彼は辛抱強く波を待ったんだと思う。良い波を彼が手に入れることができれば,ビッグフローターを決めていただろう。でもその波は来なかったね。」
キレたサーフィンを見せたファイナルデイのスレーターは、セミファイナルで対戦したプログレッシブ・ハワイアンのダスティー・ペイン(HAW)とのタフなバトルにおいて、ノー・グラブ・バックサイド360エアを決めた。一か八かの大勝負に出たスレーターは,ナイキUSオープンのベストシングル・ウェイブ・スコア9.77をマーク。更に17.94という大会のベストヒート・トータルもマークした。
「ダスティ(ペイン)は優先権を持っていた。そして、彼はいくつかレフトに行っていたね。彼はおそらく、他の波も彼がスコアをメイクした波のようにブレイクすると考えていたんだ。」と、スレーターが言った。「僕のあの波は、十分なフェイスがあって,自分が出来る限りハードに回転してみた。どうにかボードは僕の足から離れないでいてくれたよ。」
ニコルは今回のASPプライム・コンペティションを通して激しく戦った。そして、ファイナルデイにはロイデン・ブライソン(ZAF)、17歳のコロヘ・アンディーノ(USA)を下し、ファイナルへ勝ち進んだが,スレーターを倒すだけの波を見つけることは出来なかった。
「ケリーは8.5の強烈なスタートを持った。それで良い波を待つしかないと思たのさ。でも、あまりに長く待ち過ぎた」と、ニコルが言った。「週の初めは、僕がファイナルでケリーと戦うなんて考えてもみなかった。」ニコルは現在ASPワールド・ランキングで36位から27位へアップ。今年の中間地点に行われるASPトップ32のカットオフの内側に滑り込んだ。しかし、ASPワールド・タイトル・シーズンに2つのイベントが残っており、ニコルはその最後のイベントが終わるまで、彼のスポットは決定しない。
フィッツギボンズが今季3度目の優勝
ASPウイメンズ・ワールド・タイトル・シリーズで2位となったフィッツギボンズは、ファイナルでフォアハンドとバックハンドを爆発させ、2011年の最終戦で今シーズン3で目の勝利を掴んだ。「このビーチで担がれるなんて信じられないフィーリングね」と、フィッツギボンズが言った。「物凄いギャラリーで、これは自分の最もビッグな勝利の1つです。今シーズン3勝出来て,タイトルは逃したけど本当に素晴しい1年でした。このイベントで優勝出来たなんて信じられないわ。」
2位になったのは16歳のワイルドカード,レイキー・ピーターソン
ピーターソンは,ASPウイメンズ・ワールド・チャンピオンになったばかりのカリッサ・ムーアをはじめ、ベテランのメラニー・バーテルス(HAW)、ルーキーのタイラー・ライト(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)、ローラ・エネバー(AUS)といったサーファーを倒し,ナイキUSオープンのジャイアントキラーであったことを証明した。しかし、ファイナルではフィッツギボンズを倒すだけのスコアを見つけることは出来なかった。
また,昨日行われたジュニアの試合で優勝した彼女は、ワールドツアー最終戦のセミファイナルでムーアと対戦。今シーズンのワールドツアー全てでファイナルに勝ち上がっていたムーアを阻止し、ピーターソンがファイナルに勝ち進んだ。
「昨日ジュニアで優勝して,このイベントで良い成績を残したかったんです。」と、ピーターソンが言った。「カリッサ(ムーア)とのヒートではプレッシャーは感じなかったです。ただやるだけでした。あのヒートに勝てて本当にエキサイトしました。私は、いつもカリッサに対してサーフィンをしたかった。彼女は、本当に次のレベルに私のサーフィンをプッシュしてくれて、素晴らしい友人なんです。」
また,日本から今回のプライムに挑んだのは大野修聖。そしてジュニアには加藤嵐と新井洋人が出場した。加藤嵐と新井洋人は二人ともラウンド1とラウンド2を勝ち上がりラウンド3へ勝ち上がるも,二人ともラウンド3で惜しくも3位敗退となった。大野修聖は、プライムのラウンドオブ96のヒート17に出場。ヒート中盤にレフトの波で鋭いリエントリーを決め、6.00をスコア。一時は2位となるが最終的に惜しくも3位で敗退。イベント終了後ASPワールド・ランキング57位となっている。
ナイキUSオープン:男子ファイナル:
優勝:ケリー・スレーター(USA)16.27
2位:ヤディン・ニコル(AUS)12.40
セミファイナル:
SF 1:ケリー・スレーター(USA)17.94 def.。ダスティー・ペイン(HAW)14.90
SF2:ヤディン・ニコル(AUS)13.44 def.。コロヘ・アンディーノ(USA)12.87
クォーターファイナル:
QF 1:ダスティー・ペイン(HAW)13.93 def.タナー・グダスカス(USA)10.10
QF 2:ケリー・スレーター(USA)15.50 def.タジ・バロウ(AUS)15.27
QF 3:コロヘ・アンディーノ(USA)10.44 def.デーン・レイノルズ(USA)10.33
QF 4:ヤディン・ニコル(AUS)11.60 def.ロイデン・ブライソン(ZAF)8.26
ナイキUSオープン ウイメンズ・ファイナル:
優勝:サリー・フィッツギボンズ(AUS)14.23
2位:レイキー・ピーターソン(USA)12.40
セミファイナル:
SF 1:レイキー・ピーターソン(USA)14.67 def.カリッサ・ムーア(HAW)14.60
SF 2:サリー・フィッツギボンズ(AUS)14.46 def.ココ・ホー(HAW)14.16
ジュニア・メンズ:
優勝:フリーペ・トリード(BRA)15.17
2位,コロヘ・アンディーノ(USA)13.96
3位,ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)13.47
4位,コナー・コフィン(USA)11.44
ジュニア・ウイメンズ:
優勝:レイキー・ピーターソン(USA)16.07
2位,マリア・マニュエル(HAW)12.67
3位、ローラ・エネバー(AUS)12.36
4位,ココ・ホー(HAW)3.66
※詳細はASPジャパンサイトでもご覧になれます。