2011年6月14-19日 リベイラ・ディリャス、エリセイラ/ポルトガル
ジュリアン・ウィルソンがASPプライム「クイックシルバー・プロ・ポルトガル」で優勝。大野修聖、辻裕次郎は初戦敗退(6/20)
Julian Wilson Wins ASP Prime Quiksilver Pro Portugal
【リベイラ・ディリャス、エリセイラ/ポルトガル(2011年6月19日日曜日)】2011年6月14~19日のウエイティング期間でポルトガル、エリセイラで開催されていたASP男子プライム・イベント第6戦「クイックシルバー・プロ・ポルトガル」が終了。今シーズンからASPワールドツアーにクオリファイしたルーキーである22歳のジュリアン・ウィルソン(AUS)が、前回のブラジルで行われたプライムで優勝したばかりの17歳であるガブリエル・メディーナ(BRA)を破り,優勝した。
ファイナルはワンサイドゲームでジュリアン・ウィルソン(AUS)圧勝。
メイン・イベント・サイトとなったリベイラ・ディリャスのライトハンダーは、エクセレントな4-5フィートのコンディション。イベントを通して絶好調だった二人のサーファーによるファイナルに期待が高まった。しかしファイナルは,ジュリアン・ウイルソンがオープニングライドの7.33に続き、セカンドライドで8.33をスコア。いきなりメディーナをコンボに追い込みワンサイドゲームとなった。
計算されたようにパフォーマンスの精度を上げたウィルソンは、更に9.80というパーフェクトに近いスコアをマーク。対戦相手のメディーナに付け入るスキを全く与えなかった。先手必勝のセミファイナルと同じ戦略で対戦相手にプレッシャーを与えたウィルソンは、ラストライドでも駄目押しの9.57をスコア。最終的に19.37対12.83という圧倒的な強さで勝利を掴んだ。
「凄く嬉しいですよ。このための厳しいトレーニングは、非現実的なものでした。今シーズンは良くもなく悪くもない平凡なスタートだったので、ヒートをメイクするために凄くハードにトレーニングしてきたんです。4週間のブラジルでは全く良い結果を残せなかった。そして、僕はトレーニングを見直すために家に帰って、モチベーションを上げることが出来たんです。優勝するという目標のために、ここまで一人で来て、集中した状態でいられたのが良かったんだと思います。」
「今回の自分の最初のヒートで、9点台や8点台をスコア出来た時から、良い感触を持っていて,ラインナップでも快適に過ごせました。このイベントに勝ちたかったので、自分の快適ゾーンを決して行き過ぎず、ただ強い状態でサーフィンして、ヒートに勝っていることを確認していたんです。僕は優勝するためなら何でもするつもりでした。」
「一週間ずっと楽しい波でした」と、ウィルソンが続けた。「この季節は波が小さいとみんなが言っていたので,今回の波には驚いていたんです。波や天候に恵まれて,人々は本当にサポートしてくれた。ここの人たちは本当にサーフィンを見るのが大好きなんですよ。」
ガブリエル・メディーナが第2位
今回、ガブリエル・メディーナは第2位となり、エクセレントな今シーズンに、もう一つの素晴らしい結果を加えた。そして、シーズン中盤にメンバー切り替えが行われるASPワールド・ツアーに向けて順調に順位を上げている。メディーナはセミファイナルやクオーターでエクセレントスコアを連発。前回のブラジルでの優勝に続き、2連勝さえ感じさせるサーフィンを見せていた。メディーナのバックハンドのアプローチは、最もクリティカルなセクションに当て込む、シャープで素早いものだった。
「ファイナルでは良い波を見つけることが出来なかった。でも、この結果に満足です。ジュリアンはファイナル2本の9ポイントを出していました。彼は良いサーフィンをしていましたよ。彼にお祝いを言いたいです。2週間後に南アフリカのバリトーで行われる次のイベントに向かいます。そこでも今回のような結果を出したいと思います。」
ミゲール・プポ(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は3位タイ。
セミファイナルでジュリアン・ウィルソンに敗れたプポは第3位。とはいえプポは、今年の彼のベストリザルトに今回の成績を加え、ASPワールド・ツアーの参加資格獲得へまた一歩近づいた。「トラッスルズの優勝があって,今回の3位。あともう少し結果を残せればワールド・ツアーに行けると思います。」
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、今回の3位で4225ポイントを獲得。ワールド・ランキングで50位にジャンプアップした。クオーターではフィンズ・アウトのフォアハンド・リバースで9.70をスコア。今シーズン前半の怪我から完全復活となった。
大野修聖、辻裕次郎がファーストラウンドで敗退。
日本から今回のプライムに挑んだのは大野修聖と辻裕次郎。辻裕次郎が対戦したのはガブリエル・メディーナ、ジハード・コードル、ネイザン・ヨーマンズ。前半はブラジルのジハード・コードルが絶好調で6.67,5.37をスコアしてトップ。2位だったメディーナもヒート中盤に7.10をスコアして逆転。前半はエンジンがかからない様子の辻裕次郎は4位。ライトの波を奥から捕らえるも、たるい波に苦戦して持ち前のバックハンドのキレがなくスコアが伸びない。
ヒート終盤に入り,バックハンドのオフザトップからカットバックのコンビネーションでインサイドまで乗り繋ぎ、5.20をスコアした辻裕次郎。さらにラストウェイブで4.63をスコアし,3位に浮上したが惜しくも敗退。49位でフィニッシュとなった。
大会2日目はコンディション不良によりレイデイ。大会3日目に大野修聖の出番となった。大野のヒートは3名がグーフィフッター。ブラジルのディエゴ・ローザとアメリカのタナー・グダスカスが鋭いバックハンドで高得点をマーク。マーもバックハンドでインサイドまで何度もグッドターンを繰り返し5.00をスコアした。
大野は,続けてミドルセクションでグッド・ウェイブをゲット。スピードにのったオフザトップから鋭いリエントリーで5.67をスコア。ヒートスコア10.67で2位に浮上した。8.00、7.60をスコアしたタナー・グダスカスは絶好調でダントツのトップ。大野修聖は2位で前半を折り返す。残り時間は既に13分を切っていた。ヒート終盤に入り,5.67、6,73を続けてスコアした4位のマキシム・フスナットは、3位のディエゴ・ローザを逆転し、更に大野まで逆転し2位に浮上。マーは逆転に6.73が必要な状況に追い込まれ残り時間は5分となった。その後,ヒート終了までにマー大野の前には逆転するだけの波は現れず,惜しくも3位敗退。49位でフィニッシュとなった。今回,全く負けていない勝ち上がれるサーフィンを見せていた大野修聖だけに非常に残念な敗退となった。
大野修聖は,今シーズンのスタートから、日本人として初めてプライムイベントでクオーターファイナルに残り,5位入賞。マーガレットリバーのプライムイベントでも13位。カリフォルニアでは25位となり、ブラジルで13位に入り,現在ASPワールド・ランキング59位にランクイン。スコットランドの6スターで9位となった辻裕次郎は現在152位だ。
ASPは今シーズンより、ワールド・タイトル・レース、プライム、スター・イベントの順位を1本化したワールド・ランキング・システムを起動させている。シーズン中盤と最後の年2回メンバーの入れ替えが行われるのだ。最初のローテーションは9月15日に終了するニューヨークで開催されるクイックシルバープロで、次の9月18日から始まるカリフォルニアのハーレープロから新しいメンバーに入れ替わる。
次回、彼らが出場予定のASPプライム・イベントは、7月4日~10日で南アフリカで開催される「ミスタープライスプロ」。一つでも多く勝ち上がり日本に元気を届けたいと奮闘する日本のサムライたちを日本から応援して欲しい。がんばろう日本!
クイックシルバー・プロ・ポルトガル・ファイナル
優勝:ジュリアン・ウィルソン(AUS)19.37
2位:ガブリエル・メディーナ(BRA)12.83
クイックシルバー・プロ・ポルトガル・セミファイナル
SF 1:ガブリエル・メディーナ(BRA)17.00 def.ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)13.67
SF 2:ジュリアン・ウィルソン(AUS)17.04 def.ミゲール・プポ(BRA)11.37
クイックシルバー・プロ・ポルトガル・クォーターファイナル
QF 1:ガブリエル・メディーナ(BRA)18.37 def.ジェレミー・フローレス(FRA)12.33
QF 2:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)18.03 def.パット・グダスカス(USA)12.43
QF 3:ミゲール・プポ(BRA)13.84 def.ディオン・アトキンソン(AUS)10.17
QF 4:ジュリアン・ウィルソン(AUS)14.26 def.ジェイ・クイン(NZL)9.40
※詳細はASPジャパンサイトでもご覧になれます。