2011年5月13日~15日 鹿児島県奄美大島龍郷町手広海岸
ASPジャパンツアー開幕戦で田中樹が優勝,ジュニアで大橋海人,カデットで仲村拓久未がASP初優勝(5/15)
WQS表彰式 photo:s.yamamoto
【鹿児島県、奄美大島龍郷町手広海岸(2011年 5月15日、日曜日)】今シーズンの日本のプロサーフィン界全体のスタートとなる「Malibu Amami Island Pro」が終了。WQS2スターイベントで田中樹が優勝。ジュニアでは大橋海人,カデットでは仲村拓久未が念願の初優勝を手にした。
本日の天候は曇り。風は弱いオフショア。波のサイズは膝、セットで腰ぐらい。波は昨日から更にサイズダウンしたものの、時折入るクリーンなリーフブレイクを使ってWQSのクオーターファイナルからスタート。そして、ジュニアのクオーターファイナル終了後、大潮の干潮時を避けて試合を一時中断。潮が上げて来るのを待って13:30からコンテストは再開された。
WQSのファイナルは田中英義と田中樹
WQSのファイナルは田中英義と田中樹の対決となった。「周りのエネルギーが自分が優勝するようになっている」と絶好調を自他ともに認める田中英義は,セミファイナルで椎葉順を下しファイ進出。田中樹はクオーターファイナルで弟の譲との初の兄弟対決を制し,セミファイナルで絶好調だった大橋海人を下して、ファイナルへ勝ち上がった。
ファイナルのオープニング・ウェイブの波の取り合いに競り勝ったのは田中樹。奥からテイクオフした樹は、掘れたセクションでスピードをつけてクリティカル・セクションでテールスライド気味に大きくスラッシュ。そして綺麗にインサイドまで乗り継ぎ6.0をスコア。一方,田中英義も間髪入れずに,続けて次の波にテイクオフ。それは素晴しい波となり、リエントリーから彼の十八番であるビッグなカーヴィングターンへと繋ぎ7.0をスコアし応戦した。
そのあと入った波を掴んだ田中樹は、ミドルセクションで深いボトムターンから際どいセクションにテールを蹴り込み、物凄いスプレーを上げる。スピード感のあるカーヴィングターンでインサイドへ繋ぎ,7.75をスコアして、ヒートスコア13.75をマーク。ファイナルを完全にリードする。
田中英義は、1本目の7.00をスコアしてから全く波に乗らない。優先権を持ち,辛抱強くセットの波を待ち続けたが、残り時間はとうとう5分を切ってしまった。前半来ていた波も後半に入り全く入らなくなり,両者とも波に乗らない時間が続いた。そして,そのままヒート終了。水面を何度も叩き,悔しさを体で表現するヒデヨシは結局1本しか波に乗らず敗退。先制攻撃が功を奏した田中樹が、2011年のASPジャパンツアーの開幕戦を制し,幸先の良いスタートを切った。
ジュニア photo:s.yamamoto
ジュニアのファイナルは,大橋海人と加藤嵐
ジュニアのファイナルは,今大会絶好調の大橋海人と、早くから奄美入りし気合いの入っていた加藤嵐といった昨年のWJC日本代表メンバー2名となった。ファイナルのオープニングを飾ったのは大橋海人。高速なバックハンドで、目の覚めるようなリエントリーを連発し、エクセレントな8.75をスコアした。さらに5.50をスコアした大橋海人は,早くからファイナルをリードした。
優先権を持ったままセットの波を待つ加藤嵐。沖で待つ加藤の手前で,次から次へと波を掴む大橋海人は、ポイントを重ね,少しづつリードを広げる。WQSのセミファイナルで田中樹に敗れたヒートが嘘のように海人らしいバックハンドを炸裂させ、バックアップとなる6.35をスコアしてポジションを固める。
そして、後半、波を待っていた加藤嵐のところに、ようやくセットの波が入り,鋭いリエントリーとカーヴィングターンのコンビネーションで7.00をスコア。差を縮めたものの、逆転には8.11が必要。残り時間は3分を切った。終了間際に優先権を使ってセットの波に乗った加藤は,スピードに乗ったエアリアルマニューバーを披露。しかし,僅かに逆転するためのスコアには届かず、大橋海人がジュニア・タイトルを獲得した。
「ジュニアでトップの加藤を倒せて嬉しいです。海外の試合で他の選手がノートリムで攻めているのを見て,それを目指して練習してきた成果です。サーフボードも凄く調子が良く,体の調子も良かったので優勝出来たんだと思います。応援してくれたみんなに感謝したいです。ありがとうございます」とコメント。また今回のイベント前に日本のサーフィンレジェンドでシェイパーである海人の父,大橋勧氏が他界し、彼はその悲しみを乗り越えて勝利を手にした。海人は「父も喜んでくれてると思います」と最後にコメントした。
カデット photo:s.yamamoto
カデットのファイナルは,仲村拓久未と堀越力。
16歳以下のカデットのファイナルは,仲村拓久未と堀越 力。潮が上げ,波数が減った状況で仲村拓久未はセットの波を待つ作戦。ライトの波を掴み,しっかりとしたマニューバーでインサイドまで乗り継ぐ仲村拓久未は,6.50をスコア。さらにインサイドでバックアップとナル3.35をスコアし,ファイナルを完全に支配する。中盤にさしかかり,追いかける形となった堀越は,優先権を持ち波を待つ。しかし、仲村拓久未は、インサイドで駄目押しの4.50をスコア。WJC日本代表メンバーとして意地を見せ、圧倒的な強さを見せて勝利を掴み、フランスへのキップ獲得に向けた念願の初優勝となった。
カデットは,今シーズンのトータルスコア1位の選手が、フランスで開催される世界一の16歳以下のサーファーを決める「クイックシルバー・キング・オブ・グロメッツ」の世界大会への日本代表選手に選ばれることになっており、今回のイベントはその選考会の初戦となり,各選手その代表の座を目指し,熱い戦いを繰り広げた。
「Malibu Amami Island Pro」
優勝:田中樹 13.75
2位: 田中英義 7.00
◆セミファイル
第1ヒート:田中英義14.00 椎葉順 10.15
第2ヒート:田中樹 14.25 大橋海人10.05
◆クオーターファイナル
第1ヒート:椎葉順 6.50 大澤伸幸 6.45
第2ヒート:田中英義 13.25 加藤嵐11.25
第3ヒート:大橋海人12.75 高橋健人 7.45
第4ヒート:田中樹 12.00 田中譲 4.65
◆ジュニア・ファイナル
優勝:大橋海人 15.10
2位: 加藤嵐 14.00
◆ジュニア・セミファイナル
第1ヒート:大橋海人 12.35 vs 渡辺寛8.65
第2ヒート:加藤嵐11.25 vs 小嶋 海生7.95
◆ジュニア・クオーターファイナル
第1ヒート:大橋海人7.00 vs 田中海周6.35
第2ヒート:渡辺寛10.50 vs 仲村拓久未6.60
第3ヒート:新井洋人 5.40vs 小嶋 海生6.35
第4ヒート:大森 海夏人 5.90 vs 加藤嵐10.25
「Quiksilver King of Grommets」
◆カデット・ファイナル
優勝:仲村拓久未11.00
2位:堀越 力5.10
◆カデット・セミファイナル
第1ヒート:仲村拓久未10.40 vs 関口真央 5.00
第2ヒート:西 慶司郎6.90 vs 堀越 力9.15
奄美大島は、鹿児島県の南西諸島に位置する琉球諸島の一部で沖縄県との境にあるトロピカルアイランドである。 太平洋と東シナ海に面し、温暖で降水量が多い、一方で沖縄とほぼ変わらない南の島独特の気候である。また沖縄県や九州地方と同様台風の影響を受けやすく、しばしば大きな被害を受ける場所でもある。名瀬港という貿易港にも恵まれ、古くから島のゲートウェイとしての役割を担ってきた。昨年10月には記録的な大雨の被害にあい復興の真っ最中でもある。
3月11日に東日本を襲った大震災おきてしまい全国的に自粛ムードであったマリンスポーツをこの復興真っ只中の奄美大島から東北に向けてエールを送ろうと、地元のサーファーであり島の観光親善大使でもある森哲太プロと国際プロサーフィン大会実行委員会代表の碇山勇生プロが中心となってこの大会を成功させようと地元の有志と共に企画された。
今大会は、プロサーフィン・コンテスト以外にも,震災チャリティーとして地元アーティストによる音楽ライブイベントも同時に行われ募金活動を行い、賞金と運営費の一部を東北へ寄付される。また、5月14日(土)からは、同時開催でジュニアツアー開幕戦の「Quiksilver King of Grommets Amami」もスタート。ジュニアツアーはU-20ジュニア、U-16カデットクラスが熱い戦いを魅せてくだろう。
サーフメディアでは,今回も現場からツィートとをする予定なので、そちらもお楽しみに。
ASPジャパンが行う、このイベントは今年もインターネットによるライブ放送を行われます。直接会場にお越し出来ない方はインタ-ネットライブをお楽しみ下さい。イベント公式ページは、http://www.aspjapantour.com/live/2011/amami/ からどうぞ!
「Malibu Amami PRO」は、下記スポンサー各位に感謝すると共に提供されます:
・MALIBU(サントリーアライド株式会社)・れんと(奄美大島開運酒造株式会社)・Quiksilver Japan(クイックシルバージャパン株式会社)・ASAHI SOFT DRINK(アサヒカルピス飲料株式会社)・波伝説(サーフレジェンド)・龍郷町・ペンション・グリーンヒル・RASH Wetsiuts(株式会社イナポリトレーディング)
後援:・鹿児島県(大島支庁)・奄美市・龍郷町・奄美群島観光連盟
・奄美群島広域事務協会・奄美大島観光協会
協力:・国際プロサーフィン大会奄美実行委員会・Desin Planning 海道 ~susumu CHARLIE ishizaki ~・奄美大島青年会議所・奄美市青年連合団・株式会社奄美新聞社・あまみエフエム ディ!ウェイブ・奄美テレビ放送株式会社・南海日日新聞社・奄美群島情報サイト「しーまブログ」
■問合せ先:ASPジャパン事務局:
〒251-0037 神奈川県藤沢市鵠沼海岸2-16-2 1F
電話:0466-30-2888 FAX: 0466-30-2889
Email:office@aspjapantour.com