2011年5月24-29日 イタウナ・ビーチ、サクアレマ、リオデジャネイロ/ブラジル
カイ・オットンが、ブラジルで行われたオークリー・サクアレマ・プライムで優勝。大野修聖は13位(5/31)
オーストラリアのカイ・オットンASP/Pedro Monterio
ASP/Pedro Monterio
【イタウナ・ビーチ、サクアレマ、リオデジャネイロ/ブラジル(2011年5月30日月曜日)】2011年5月24 - 29日のウエイティング期間でブラジル、リオデジャネイロのイタウナ・ビーチで開催されていたASP男子プライム・イベント第4戦「コカ・コーラ・プレゼンツ・オークリー・サクアレマ・プライム」が終了。ワールドツアー・サーファーのオーストラリアのカイ・オットンが見事勝利を勝ち取った。
この「コカ・コーラ・プレゼンツ・オークリー・サクアレマ・プライム」は、世界中で開催されるASPのトップ34のみで戦うワールド・ツアー・イベントに次ぐ、プライム・ステイタスのASPイベント。今年11戦行われるプライムはWT入りを目指すスターイベントを越えた獲得賞金,獲得ポイントが極上のイベントで,WTサーファーや、ワールドランキングで上位の選手のみ出場が許されるイベント。ある意味ではワールドツアーよりも面白いサーフィンが繰り広げられる。
先日までリオデジャネイロでは、ワールドツアー第3戦「ビラボン・リオ・プロ」が行われており,そのアスリートの半数がオークリー・サクアレマ・プライムに参加するためブラジルに留まった。そのため、このコンテストには多くのワールドツアー選手が参加していた。
このイベントの大会最終日は本来であれば昨日だった。しかし、オンショアで巨大な15-17フィートのエクストリーム・コンディションのために、主催者はコンテスト期間を一日延長。翌日,天候は回復したサクアレマのレンフとハンダーは、一貫した8-10フィートのコンディションとなり,無事ファイナルデイを迎えることが出来た。
オーストラリアのカイ・オットンが、ローカル・サーファーのラオニ・モンテイロを下し優勝。
ファイナルを最初に仕掛けたのは、カイ・オットン。彼は最初の波で6.83ポイントを記録しファイナル・キャンペーンをスタート。しかし、ラオニ・モンテイロも空かさず7.33をスコアして反撃。スタートからファイナルに相応しいバトルが繰り返された。そして,残り時間14分となり、カイ・オットンはライトの波にテイクオフ。8.60をスコアしリードを奪った。
ラオニ・モンテイロはハードにパドルを繰り返し、出来る限りのサーフィンを見せたが,彼が必要としたスコアを手に入れる事は出来ず,カイ・オットンが、15.43対14.93の僅差で勝利を手に入れた。
「素晴らしかった! 最高だ」と、カイ・オットンが言った。「僕は借りものの板でサーフィンをしなければならなかった。この種の波に対応出来るサーフボードを持っていなかったのさ。でも最終的には、すべてが上手く行った。
サクアレマは、自分がこれまでサーフィンをしたブラジルのなかでベスト・ウェイブだった。ASPワールド・ツアーがなぜここで行われないか僕には理解できない。今日のサクアレマは素晴らしかった。そして、僕はこのイベントに勝てて本当にうれしいよ。」
今回のブラジルでのオークリー・サクアレマ・プライムにおける優勝は、カイ・オットンをASPワールドランキング56位から38位まで押し上げ,優勝賞金40,000ドルと6,500ポイントを獲得した。しかし、それでもシーズン中盤に行われるワールドツアーの選手入れ替えからは外れている。
モンテイロが2位。
2位となったラオニ・モンテイロも賞金20,000ドルと5,200ポイントを獲得し、ランキングで25位へジャンプアップした。「これまでに僕は,サクアレマでファイナルまで勝ち上がった事が一度もないんだ。」とモンテイロが言った。「僕は優勝して,ここで僕を応援してくれていた人を喜ばせたかった。
僕はいくつかのヒートで終了間際に逆転勝利したことがある。今回のファイナルも、あと少しで逆転出来るところだった。クロスヒートだったね。でも、カイ・オットンは、僕より多くの波をサーフして、より良いスコアを手に入れた。優勝に値するサーフィンだったよ。サクアレマを代表する事が出来て満足さ。そして、今回の結果は残りシーズンで僕に活力を与えてくれるよ」
ラオニ・モンテイロとビーチにいた彼のファン全員が最後のスコアに腹を立て、カイ・オットンとオーストラリアの選手たちも過剰に反応した。「スコアを待っている時は,かなり緊張したね」と、カイ・オットンが言った。「彼が良い波をキャッチしたけど、スコアを得ることが出来なかったのを僕は分かっていた。全てのヒートにおいて、ラオニ(モンテイロ)は感情をむき出しにして、ギャラリーのサポートを煽っていた。彼はタフな選手だから、良いスコアを出さなければ勝てないって思っていたよ」
大野修聖が13位。
日本の大野修聖は,今回のイベントでラウンドオブ96を2位で,ラウンドオブ48を1位で勝ち上がり,ラウンドオブ24進出を決めた。前日からコンディションは悪化し,マッシーでストーミーなタフなコンディション。ジェットスキーのアシストが登場するほどだった。対戦相手はアダム・ロバートソン。ロバートソンはスタートからバックハンドでハードにクリティカルセクションを攻め,6.33、4,83をスコアしてリードした。
そんなコンディションにオープン・フェイスの波を見つけられず、苦戦するマー大野に対し,アダム・ロバートソンは次々とグッド・ウェィブを掴みスコアを伸ばして行く。そしてマーはコンビネーションに追い込まれた。ミドルサイズのレフトを掴んだマーは、鋭いリエントリーを決めて5.93をスコア。更にビッグセットのクローズ・アウトセクションに果敢にリエントリーを仕掛け、マッシッブ・ターンを披露し6.27をスコア。その差を確実に縮めて行く大野だったが残り時間は5分。最終的にトリッキーコンディションに翻弄されたマー大野はここで敗退。プライムで13位でフィニッシュとなり、1200ポイントを獲得した。
大野修聖は,今シーズンのスタートから、日本人として初めてプライムイベントでクオーターファイナルに残り,5位入賞。マーガレットリバーのプライムイベントでも13位。カリフォルニアでは25位となり、今回13位でASPワールド・ランキング53位にランクイン。確実に勝ち上がるためのサーフィンと,タクティクスを身に付けた大野修聖の今シーズンは、ひと味も二味も違うと誰もが感じている事だ。
ASPは今シーズンより、ワールド・タイトル・レース、プライム、スター・イベントの順位を1本化したワールド・ランキング・システムを起動させている。シーズン中盤と最後の年2回メンバーの入れ替えが行われるのだ。最初のローテーションは9月15日に終了するニューヨークで開催されるクイックシルバープロで、次の9月18日から始まるカリフォルニアのハーレープロから新しいメンバーに入れ替わる。
マーが目指すASPワールド・ツアーは、ASPワールド・ランキングのトップ34(ワイルドカード2名を含む)だけが出場出来るもの。今シーズンは最高の滑り出しを見せているマー。この勢いでトップ32に入りクオリファイを目指せ。次回の大野修聖が出場予定のASPプライム・イベントは、同じブラジルのサンタカタリーナのインビトゥバで、5月31日から6月5日で開催される「スーパー・サーフ・インターナショナル」。一つでも多く勝ち上がり日本に元気を届けたいと奮闘する大野修聖を日本から応援して欲しい。がんばろう日本!
オークリー・サクアレマ・プライム最終結果:
優勝-カイ・オットン(AUS) 15.43
2位-ラオニ・モンテイロ(BRA) 14.93
SF 1:ラオニ・モンテイロ(BRA)14.70 def ヤディン・ニコル(AUS)10.84
SF 2:カイ・オットン(AUS)14.27 def ウイリアン・カルドゾ(BRA)5.04
QF 1:ヤディン・ニコル(AUS)15.63 ガブリエル・メディーナ(BRA)12.10
QF 2:ラオニ・モンテイロ(BRA)14.04 リンコーン・テイラー(AUS)12.10
QF 3:ウイリアン・カルドゾ(BRA)10.53 アダム・ロバートソン(AUS)9.50
QF 4:カイ・オットン(AUS)13.60 ジェシー・メンデス(BRA)11.40
※詳細はASPジャパンサイトでもご覧になれます。