2011年10月15日-24日 スーパーチューボス、ペニシェ/ポルトガル
リップ・カール・プロ・ポルトガルは、エイドリアーノ・デ・スザが、ファイナルでケリー・スレーターを抑え優勝。(10/19)
Adriano de Souza (BRA), (C) ASP / CESTARI
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【スーパーチューボス、ペニシェ/ポルトガル(2011年10月18日火曜日)】ASPワールドツアー第9戦「リップ・カール・プロ・ポルトガル」が終了。昨日より若干サイズダウンしたものの、クリーンな3~5フィートの完璧なバレル・コンディションで行われたファイナルで、エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)が、ケリー・スレーター(USA)を抑え今季2勝目を上げた。2011年のASPワールドタイトル・シーズン全11試合の第9戦である「リップ・カール・プロ・ポルトガル」は、ASPの歴史に刻まれる忘れ難い素晴しいバレル・コンディションで幕を閉じることができた。
エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)今季2勝目。
ファイナルデイを通して、激しくチャージしていたエイドリアーノ・デ・スザ(BRA)。スレーターとのファイナルには、トラヴィス・ロギー(ZAF)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ビード・ダービッジ(AUS)という強豪を下して勝ち上がった。ファイナルのスタートから、ソリッドなフォアハンドのバレルで9.00をスコアしたデ・スザは、ディフェンディング・チャンピオンにプレッシャーを与えた。対するスレーターも、ソリッドな2つのスコアで応戦したが、デ・スザは終盤に入り逆転。エリートツアーにおけるキャリア3勝目を手に入れた。
「僕がサーフィンのことを知った時から、ケリー(スレーター)は僕のヒーローだった。」と、デ・スザが言った。「彼は生きた伝説だよ。このレベルで彼と戦えること自体、夢が現実になる以上のことなんだよ。彼は他のサーファーだけでなく、僕をプッシュしてくれた。そして、彼には沢山の借りがあったしね。今回のイベントの波は信じられないほど素晴しかったよ。このイベントをここで開催してくれたリップ・カールに感謝したい。そして、このイベントを通して、僕をサポートしてくれた全てのポルトガルの人々にもお礼を言いたいよ。」
今回の優勝でデ・スザは、ASPワールド・タイトル・ランキングで6位から3位へジャンプアップした。「今シーズンは思ったようにコンスタントにできなかったんだ。でも、このポルトガルとブラジルでキャリアベストととなる2勝をあげることが出来た。」と、デ・スザが言った。「今回のようなコンディションで優勝出来ることは特別なことだよ。残り2戦でも良い成績を収めて今シーズンをフィニッシュしたいね。ワールド・タイトルについては考えていない。」
絵に描いたようなバレルで上手さが際立ったケリー。K11目前。
10タイムASPワールド・チャンピオンで、現在ASPワールドNo.1のケリー・スレーター(USA)は、11度目のASPワールド・タイトル獲得にまた一歩近づいた。スレーターは、次のリップ・カール・プロ・サーチ・サン・フランシスコにおいて、9位でフィニッシュするか、それ以上で(2ラウンドを勝ち上がれば)、彼のタイトルが確定する。
「素晴らしいイベントだった」と、スレーターが言った。「9ポイントや8ポイントを何度出したか覚えていないよ。我々はこの3日間、バレルをメイクすることしか頭になかった。本当に信じられないイベントだった。残念だったのは、そのファイナル唯一の良い波を、僕のプライオリティー・ミスで、エイドリアーノ(デ・スザ)に渡してしまったことだね。自分にとって良い結果だね。他のみんなは、かなり辛くなったと思う。サン・フランシスコが良いコンディションになることを願おう。」
タジ・バロウ(AUS)も物凄い勢いがあった。
タジ・バロウ(AUS)はファイナルデイを通して、もっとも勢いのある選手だった。クオーターファイナルではルーキーのジュリアン・ウィルソン(AUS)との激しいクロスヒートを制し、誰にも止められない勢いが感じられた。しかし、セミファイナルでスレーターと対戦。チューブ・スペシャリストの二人はスタートから物凄いチューブバトルを繰り広げる。そんな中でバロウは前半をリードした。しかし、スレーターは土壇場でパーフェクト10をスコアして大逆転。バロウは惜しくも3位となった。
「あの後で何て言うの?」と、バロウが言った。「それは、我々ふたりが良い波を手に入れたあとのシチュエーションだった。僕は板を折って、それからパドルアウトすることろだった。彼は、あのヒート初のレフトにドロップインした。僕は速攻で10だって分かったよ。まだちょっと圧倒されてる。素晴しいイベントだったけどね。自分がこれまでサーフした中でも、ベストに入るんじゃないかな。」
ビード・ダービッジ(AUS)
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)とジョエル・パーキンソン(AUS)を下し、3位タイという今シーズンのベストリザルトを手に入れたビード・ダービッジ(AUS)。デ・スザによってセミファイナルで破れたが、ASPワールド・タイトル・ランキング18位から15位へとジャンプアップした。「僕にとってビッグイベントだったので、そこで負けるわけにはいかなかった。最高の波だったけど、セミファイナルではリズムを掴み切れなかった。」と、ダービッジが言った。
ケリーを追いかけるオーウェン・ライト(AUS)
ASPワールド・タイトル・ランキングNo.2のオーウェン・ライト(AUS)は、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)と激戦となったラウンド3バトルに敗れた。ライトはエクセレントな16.96をスコアしたにもかかわらず、ヤング・ハワイアンの並みはずれた猛攻撃をかわすことができなかった 。「彼が勝ち上がるヒート組を見て、早いラウンドで彼と当たる可能性があるなと思っていたんだ。」と、ライトが言った。
「彼のホームであるパイプラインと似ている、このようなコンディションで彼はかなり危険な存在だよ。だからリード出来るよう、グッドヒートの組み立てを考えたんだ。でも今回は勝利を収めることは出来なかったね。」
今回のライトの早期敗退で、彼と今シーズンの世界タイトル争いをする10-タイムASPワールド・チャンピオン・ケリー・スレーター(USA)がかなり有利になったことは言うまでもない。しかし、残りの2戦に向けて、彼のアプローチはポジティブなままである。「僕はサン・フランシスコの前に、再充電のため家に帰るつもりなんだ。 」と、ライトが言った。「まだ2つのイベントが残っている。僕は本当に最高の一年をフィニッシュしたいんだ。」
リップ・カール・プロ・ポルトガル:ファイナル
優勝:エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)15.67
2位:ケリー・スレーター(USA)14.73
リップ・カール・プロ・ポルトガル:セミファイナル
SF 1:ケリー・スレーター(USA)19.50 def.。タジ・バロウ(AUS)16.87
SF 2:エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)13.83 def.。ビード・ダービッジ(AUS)12.03
リップ・カール・プロ・ポルトガル:クオーターファイナル
QF 1:タジ・バロウ(AUS)17.94 def.。ジュリアン・ウィルソン(AUS)17.50
QF 2:ケリー・スレーター(USA)18.70 def.。ヘイター・アルベス(BRA)7.67
QF 3:エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)17.60 def.。ミシェル・ボウレズ(PYF)17.53
QF 4:ビード・ダービッジ(AUS)17.10 def.。ジョエル・パーキンソン(AUS)16.60
リップ・カール・プロ・ポルトガル:ラウンド5
ヒート1:ジュリアン・ウィルソン(AUS)6.83 def.。クリス・デーヴィッドソン(AUS)3.50
ヒート2:ヘイター・アルベス(BRA)15.40 def.。ダミアン・ホブグッド(USA)13.74
ヒート3:ミシェル・ボウレズ(PYF)18.93 def.。フレデリック・パターチア(HAW)17.96
ヒート4:ビード・ダービッジ(AUS)17.44 def.。ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)17.06
リップ・カール・プロ・ポルトガル:ラウンド4
ヒート1:タジ・バロウ(AUS)17.13、ジュリアン・ウィルソン(AUS)15.70、ダミアン・ホブグッド(USA)14.10
ヒート2:ケリー・スレーター(USA)19.30、ヘイター・アルベス(BRA)17.20、クリス・デーヴィッドソン(AUS)13.40
ヒート3:エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)15.30、フレデリック・パターチア(HAW)14.64、ビード・ダービッジ(AUS)11.67
ヒート4:ジョエル・パーキンソン(AUS)18.00、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)17.84、ミシェル・ボウレズ(PYF)16.10
リップ・カール・プロ・ポルトガル:ラウンド3
ヒート9:エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)11.60 def.。トラヴィス・ロギー(ZAF)8.10
ヒート10:ジョエル・パーキンソン(AUS)13.56 def.。ダスティー・ペイン(HAW)12.30
ヒート11:ミシェル・ボウレズ(PYF)16.27 def.。マット・ウィルキンソン(AUS)14.54
ヒート12:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)17.33 def.。オーウェン・ライト(AUS)16.96
ASPワールド・タイトル・トップ5(リップ・カール・プロ・ポルトガル後):
1. ケリー・スレーター(USA)58,150pt
2. オーウェン・ライト(AUS)45,650pt
3. エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)42,450pt
4. ジョエル・パーキンソン(AUS)41,100pt
5. タジ・バロウ(AUS)40,950pt