2010年3月30日-4月10日 ベルズ・ビーチ、トーキー、ビクトリア、オーストラリア
負傷していたスレーターは、ファイナルでファニングを下し、4度目のリップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ・タイトルを獲得(4/9)
ケリー・スレーター(USA)
Credit:(C) ASP / ROBERTSON
【ジョハナ・ビーチ、ビクトリア/オーストラリア(2010年4月9日金曜日)】ASPワールドツアー第2戦「リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ・プレゼンテッドバイ・スニッカーズ」が終了。右足を負傷していたにもかかわらず、9度の世界チャンピオンであるケリー・スレーター(USA)が、ファイナルで2度の世界チャンピオンであるミック・ファニング(AUS)を下し優勝。スレーターは、レジェンド・サーファーであるマーク・リチャーズが持つベルズにおける4度の優勝記録に並んだ。
本日のファイナルデイは、メイン会場であるベルズから、車で2時間ほど南下した場所にあるバックアップ会場となっていたジョハナ・ビーチへ移動。クリーンな3〜4フィートのコンディションでクライマックスを迎えた。
今年のリップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチはメイン会場のベルズ・ビーチのコンディションが恵まれず、ラウンド1のみをベルズで行い、ラウンド2はサーティーンスビーチ、ラウンド3とラウンド4の前半をウインキーポップ、そしてジョハナ・ビーチでのファイナルデイと最終的に4つの会場を使って行われた。
比較的スロースタートとなった二人の世界チャンピオンによるファイナルは、ファニングが7.17でリード。超高速なファニングは、一連の高速マニューバーをつなぎ合わせ、スレーターを追い詰めた。
それに対し、スレーターは素晴らしいアーリーウープ・エアリアル・マニューバーで8.93をスコアし反撃。その驚くべきマニューバーを見せたスレーターは、着地からリカバーするとき彼の足はボードから離れていた。更にスレーターは、エクセレントな波にパドルインし8.10をスコア。トータル17.03でファニングを圧倒した。
「見た目よりかなり難しい波だったね」とスレーターが言った。「潮は上げてきていて、僕たちが思うよりテイクオフのポジションは、遥かに奥だった。バンプに跳ね返り、ワイプアウトした。まともな波を掴むまでに5〜6回かかったよ。その8.93で着地したときは、凄く興奮したね。尻もちをついて、片足で落ちそうになったけど、リカバーできた。それから直ぐにセカンド・ウェイブを掴んだのさ」
3日前、右足に軽くヒビが入る怪我を負っていたにもかかわらず、スレーターは、自らが持つワールドツアーの優勝記録を42に塗り替え、更にベルズ・ビーチでの優勝回数も4回となり、これで1970年代にレジェンド・サーファーであるマーク・リチャーズが持つ記録に並んだ。
「このコンテストの前に、優勝出来たら、ワタワルング(原住民アボリジニの一部族)の人々にトロフィーを渡そうと自分自身に約束したのを思い出したんだ。本当にワクワクする」とスレーターが言った。「これまで実行できなかったことだけど、彼らにトロフィーを渡す前に、ギャラリーのみんながベルを鳴らせるようにトロフィーをまわしたい 」
今日の勝利はスレーターをASPワールド・ツアー・ランキング9位から2位へジャップアップさせた。そして、前人未到の10度目のASPワールド・タイトルのためのキャンペーンをセットアップする。
「長い1年だけど、ここで結果を出せて嬉しいよ」とスレーターが言った。「ゴールドコーストで良い感じでサーフィンをしていたが、思ったような結果を出せなかった。だから、ここに来て、それをバックアップすることで、正しい方向に一歩を踏み出せた感じさ」
ミック・ファニング(AUS)2位となったファニングは、開幕戦のゴールドコーストの9位タイと比べれば喜ばしい結果である。今シーズン、ベルを鳴らすことは出来なかったが、ファニングは現在ASPランキング5位となり、ASPワールド・タイトル防衛へ向けたエクセレントなポジションにいる。
「2位は素晴らしいが、勝ちたかった」とファニングが言った。「リズムを見つけることができなかった。ケリー(スレーター)は怪我をしていても、何でも出来るんだ。でも、イベントとしては素晴しいフィニッシュだったね。今日一日、この場所を提供してくれたローカルの人たちに感謝したいよ」
ジョハナ・ビーチのフォーム・サーファーの1人だったボビー・マルチネス(USA)は、物凄いエアリアルと鋭角なターンを繋げ、彼らしいフォームでアグレッシブにレフトハンダーをサーフした。2010年のASPドリーム・ツアー・ルーキーであるジャドソン・アンドレ(BRA)、昨年のリップ・カール・プロ・ベルズの勝者であるジョエル・パーキンソン(AUS)を下し、順当に勝ち進んだもののスレーターによってセミファイナルで破れた。
「自分の演技に全く納得出来ないね」とマルチネスが言った。「勝ちたかった。サーフィンする機会がほしかったよ。でも、それがなかった。これは、これまでの僕には最高のスタートだけど、はっきり言ってがっかりだ」
タジ・バロウ(AUS)は、昨年の12月から誰も止めることが出来ず、4つのイベントでファイナルに進み、3つの勝利を収めていたが、今回はファニングとのセミファイナルで破れた。バロウはファイナルには勝ち上がれなかったものの、3位タイになり、ASP世界No.1としての彼のポジションをキープした。
「3位は嬉しいけど、いくつかの良い波で失敗したから、ちょっとがっかりだね」とバロウが言った。「波は本当に難しかった。見た感じはOKなんだけど、波のフェイスに多くのこぶがあったんだ。良い波を何本か掴んだけど、落ちてしまって、それでイライラしてしまったんだ。でも、今回の自分の結果は満足さ。次の試合が楽しみだよ」
2010年のASPワールド・ツアーの次のイベントは、2010年4月23日から5月2日、ブラジルで開催されるサンタカタリーナ・プロ。そちらもお楽しみに。
リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ・ファイナル結果:
優勝:ケリー・スレーター(USA)
2位:ミック・ファニング(AUS)
セミファイナル:
SF 1:ミック・ファニング(AUS)15.33 タジ・バロウ(AUS)12.50
SF 2:ケリー・スレーター(USA)14.66 ボビー・マルチネス(USA)3.80
クォーターファイナル:
QF 1:タジ・バロウ(AUS)11.34 エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)4.87
QF 2:ミック・ファニング(AUS)14.20 ジョディ・スミス(ZAF)14.00
QF 3:ボビー・マルチネス(USA)15.10 ジョエル・パーキンソン(AUS)11.40
QF 4:ケリー・スレーター(USA)15.10 ビード・ダービッジ(AUS)13.00
ラウンド4:
ヒート5:ジョエル・パーキンソン(AUS)11.84 エイドリアン・バカン(AUS)10.83
ヒート6:ボビー・マルチネス(USA)13.67 ジャドソン・アンドレ(BRA)8.77
ヒート7:ビード・ダービッジ(AUS)12.20 ルーク・ステッドマン(AUS)7.00
ヒート8:ケリー・スレーター(USA)16.50 ミシェル・ボウレズ(PYF)8.00
現在のASPワールド・ツアー・トップ10(リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ後):
1、タジ・バロウ(AUS)16500pt
2、ケリー・スレーター(USA)13750pt
3、ジョディ・スミス(ZAF)13250pt
4、ボビー・マルチネス(USA)13000pt
5、ミック・ファニング(AUS)11750pt
6、ジョエル・パーキンソン(AUS)10500pt
6、ビード・ダービッジ(AUS)10500pt
6、エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)10500pt
9、デーン・レイノルズ(USA)8250pt
10、フレデリック・パターチア(HAW)7500pt
10、エイドリアン・バカン(AUS)7500pt
オフィシャルサイト
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