2010年5月4-8日 ロウアー・トラッスルズ、サンクレメンテ、カリフォルニア
ゲイブ・クリングがASPプライム6.0ロウアーズ・プロで優勝、
アンドリュー・ドヘニーはオークリー・プロジュニアで優勝(5/10)
ゲイブ・クリング
【サンクレメンテ、カリフォルニア(現地2010年5月8日)】カリフォルニアのロウアー・トラッスルズで開催されていたASP 6-スター・プライム・メンズWQSイベン「ナイキ6.0ロウアーズ・プロ」が終了。2-4フィートのクリーンなコンディションで行われたファイナルで、ASPドリーム・ツアー13位のクリス・デーヴィッドソン(AUS)を下し、フロリダのゲイブ・クリングが優勝した。
今回のイベントは、イベント期間中を通して絶好の南ウネリがヒットした玉石のポイントブレイクで有名なロウアー・トラッスルズで開催され、そこに集結したワールドクラスのサーファー達は、コンペティティヴ・サーフィンのパフォーマンス・バリアをプッシュ。どのヒートも本当に見応えのあるサーフィンが繰り広げられた。
また、今回は同時開催でASPグレード-2の「オークリー・プロジュニア」が行われ、カリフォルニアはニューポート・ビーチの17歳、アンドリュー・ドヘニーが、キャリア最大の勝利をおさめた。このプロジュニア・イベントには、今シーズンから始まったASPワールド・ジュニア・ツアーへのクオリファイを目指す世界中のトップジュニアが集結。また2010年10月2~13日にバリ島クラマスのハイパフォーマンス・ウェイブで最終戦が行われるオークリーASPワールド・ジュニア・ツアー・イベントの第1戦でもある。
今回、優勝にしたフロリダのゲイブ・クリングは、早いラウンドでは派手さはなく、黙々とラウンドアップを重ねていた。しかし、ファイナルデイは、ロウアーズのレフトハンダーで凄まじいバックハンド・アタックを見せ、パワフルなカーヴィング・ターンのレパートリーで、クオーターファイナルで、ASPドリーム・ツアー2位のジョディ・スミス(ZAF)を、セミファイナルでは3度のASPワールド・チャンピオンであるアンディ・アイアンズ(HAW)を下した。そしてファイナルではクリス・デーヴィッドソン(AUS)を抑えて勝利を手に入れた。
「イージーなヒートなんてなかったよ。辛うじて勝ち上がっている感じだった」とクリングが言った。「これまではヒートがマンオンマンになるまでさえ勝てなかった。ちょっと良いタイミングでピークに達する事が出来て、僕の方に運が良かったみたいだね。これは僕のキャリアで最も大きい勝利だよ」
クリングは、今回の優勝によって、来年のASPドリーム・ツアーのクオリファイに向け、レイティングを上げた。『これはツアーの45人の選手のうちの35名が参加していたから、凄く自信に繋がるよ』とクリングが言った。「僕にとって凄く大きなことだよ。これは間違いなく僕のキャリアで最も大きい勝利。これはベストサーファーによるロウアーズだった。だから、この勝利は本当にデカイよ」
2009年のASPワールド・ツアーに参加していたクリングは、ヒザを負傷したためにツアーを辞退。そんな怪我から復帰してのASPプライムでの勝利は格別である。「昨年の怪我があるから、この勝利の嬉しさが増すよ」とクリングが言った。
「8ヵ月の間、海から離れていた。ソファーの上で、みんながサーフィンをするのを見ていたんだ。ワールドツアー中なのに。かなりへこんだね。その怪我があったから、余計にこの勝利が嬉しいよ」
2位となったのは、クリス・デーヴィッドソン(AUS)。「私のパフォーマンスには失望していないけど、ファイナルの終え方が少し残念だね」とデーヴィッドソンが言った。「彼にあのレフトを乗らせたのが失敗だったね。僕はあの小さいライトに行くべきではなかったんだ。それで彼は高得点を出したんだからね。僕は全くリズムを掴めなかったし、スマートなファイナルを戦えなかった。ゲイブは素晴しかったよ。彼は、手に入れた波で本当によくサーフィンをした。タフなヒートになるのは分かっていたけど、ファイナルをメイク出来て最高だった」
今回3位となった3度のASPワールド・チャンピオンであるアンディ・アイアンズ(HAW)は、ヒート毎に素晴しいパフォーマンスを見せていたが、セミファイナルのクリングとのヒートの前半で、サーフボードを折ってしまい、その後リカバーすることができなかった。
「直ぐにボードが折れて、自分の試合全体か崩れてしまった。それは良いリズムを取り戻したボードだった。それが壊れたとき、僕の夢が押しつぶされたと少し感じた。巻き返すのは、ちょっとハードだった」
「この約2年間で3ヒート以上勝ち上がってないから、セミファイナルは素晴らしい結果だね」とアイアンズが言った。「ファイナルに勝ち上がりたかったけど、Jベイを前にした結果としては最高な結果だよ」
また今回、日本からは大野修聖、辻裕次郎が出場。「オークリー・プロジュニア」は新井洋人が出場したが、新井洋人は6.97、6.80とスコアをまとめたが、9ポイント8ポイントといったハイスコアを次々と叩き出したガブリエル・メディーナ、コロヘ・アンディーノのペアを下す事は出来なかった。
ラウンドオブ128ヒート2に登場した大野修聖は、6.17、5.47をスコアし2位をキープしていたが、終盤にハワイのTJバロンに逆転され、惜しくも3位で敗退。辻裕次郎も、5.67、6.07をスコアし2位をキープしていたものの、終盤に逆転され、各選手とも惜しくもファーストラウンドでの敗退となった。
優勝:ゲイブ・クリング(USA)16.50
2位:クリス・デーヴィッドソン(AUS)11.77
セミファイナル:
ヒート1:クリス・デーヴィッドソン(AUS)14.93エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)14.53
ヒート2:ゲイブ・クリング(USA)12.86 アンディ・アイアンズ(HAW)12.64
クォーターファイナル:
ヒート1:エイドリアーノ・デ・スザ(BRA)16.27 ヘイター・アルベス(BRA)8.44
ヒート2:クリス・デーヴィッドソン(USA)14.93 エイドリアン・バカン(AUS)13.40
ヒート3:アンディ・アイアンズ(HAW)18.57 C.J.ホブグッド(USA)11.93
ヒート4:ゲイブ・クリング(USA)16.50 ジョディ・スミス(ZAF)15.77
※詳細はASPジャパンサイトでもご覧になれます。